琉球銀行の「1冊10分で読める要約サイトflier」活用術兼業を解禁する場合、完全に解禁して労働者の自由に任せる方法もありますが、届出制や許可制にして一定の制限を設ける方法もあります。ここでは、兼業を解禁するときに注意すべきポイントを解説します。働き方改革実現会議の第2回会合では、兼業などの在り方が検討されています。会議では、兼業のメリットを認めつつも労働時間の把握の難しさや長時間労働の助長につながり、健康を害する可能性があることなどを危惧する意見がありました。一方、通勤災害は、たとえば二つの事業場間を移動しているときにケガをした場合、「終点」となる事業場が労災の手続きをします。もし、本業の事業場から兼業先へ向かう途中でケガをしたときは、「終点」となる兼業先が責任を負います。兼業を解禁すると従業員の希望だけでなく、他の企業や団体などから業務を依頼されたり、役員を委嘱されたりすることも多くなります。兼業依頼は、依頼者から依頼内容を記した兼業依頼書(派遣依頼状や委嘱状など)と本人から提出される兼業許可申請書などによって手続きをするのが一般的な流れです。兼業を解禁した場合、労働時間を通算すべきか、また、割増賃金の支払い義務を負うのは誰かといった問題が起こりがちです。兼業の発覚で解雇とした場合、裁判で解雇が無効になった例(十和田運輸事件:東京地判、平成13年6月5日)もあるので、人事部としては慎重な対応が求められます。近年、労働者は多様な働き方を求める傾向にありますが、ネットを利用した仕事の機会が増えたことで兼業や副業が行いやすい環境になりました。また、在宅ワークの普及により、通勤にかかる時間や手間を節約することができ、わずかな空き時間を有効に使えるなど兼業のメリットを実感する人が増えています。兼業と副業に関する文献をみると「兼業・副業」のように並列で使われることが多く、中小企業庁の資料でも以下のように記されています。ここで挙がった意見は、リクルートキャリアの意識調査でも指摘されています。意識調査では、兼業を禁止している企業に対して禁止の理由を尋ねたところ、もっとも多かったのは長時間労働や過重労働を助長するためという理由でした。前述したリクルートキャリアの調査では、兼業や副業を禁止している企業のうち、就業規則で規定している企業は6割強で、規定がないという企業がおよそ3割を占めていました。ここで紹介したことを考慮し、本稿では兼業を「本業以外の業務に従事すること。また、本業以外に事業を営むこと」と定義して話を進めていきます。次に、企業が兼業を禁止する主な理由について詳しくみていきましょう。ただし、兼業する従業員が増え、提出された文書に不備が多いと修正にも手間がかかります。そのため、依頼者や従業員が必要なときにいつでも確認できるように、兼業規則や依頼方法をホームページなどにアップしておくとよいでしょう。兼業手続きの流れをはじめ、典型的な例とともに依頼書の様式を示し、提出先(送付先)や問い合わせ先なども明記しておくとスムーズな運用につながります。「働き方改革関連法案」社内対応・ルールを整備するための時間はありますか?株式会社リクルートキャリアは全国の企業2,000社を対象に電話による「兼業・副業に対する企業の意識調査」を実施し、1,147社から回答を得ました。調査によると、正社員の兼業や副業を禁止している企業は77.2%で、禁止する理由としてもっとも多かったのは「社員の過重労働の抑制」で55.7%(複数回答)でした。副業も法律用語ではありませんが、総務省が5年ごとに実施している「就業構造基本調査」では副業を以下のように定義しています。東京地裁は、以下のように就業規則の中で兼業を全面禁止にするのは原則、許されず、会社側が兼業の承認を得るように規定する(許可制とする)のは不当ではないとしています。政府が推進しているのは非正規社員だけでなく、正規社員の兼業や副業であることが注目すべき点といえます。しかし、非正規社員に比べ、正規社員の場合は懸念される問題点が少なくありません。本来、休養に充てられるはずの時間に働くことになるので疲労が蓄積する可能性があり、過重労働となって健康障害を引き起こすリスクも高くなることが予測されます。使用者としては、社員への安全配慮義務、健康配慮義務の点から長時間労働や過重労働が危惧される場合は兼業を許可するときに社員への注意喚起も必要になるでしょう。厚生労働省は労働時間に関するガイドラインを策定し、労働時間の適正な把握などを通して労働時間を適切に管理することは使用者の責務であるとしています。しかし、現状としては、労働時間を把握する方法が不適切な事業場も少なくないようです。本業と兼業先それぞれの使用者に雇われ、「労働者」である場合には労働基準法が適用になりますが、労働基準法38条1項では次のように規定されています。そのため、業務災害や通勤災害が起きた場合に、どちらの事業主が責任を負うのかが問題となることが多いです。業務災害は、業務中の事故などによるケガの場合は業務をしていた事業場の事業主、被災労働者を支配下に置いていた事業主が責任を負います。しかし、過重労働などが原因で過労死や過労自殺、精神障害を発症した場合の判断は容易ではありません。平成29年3月、政府は「働き方改革実行計画」を発表し、兼業や副業については「柔軟な働き方がしやすい環境整備」の中で今後の方針や具体的な施策を示しています。実行計画の具体的な施策として挙げられたのは、兼業や副業のガイドラインの策定やモデル就業規則の改定、また、労働時間管理や健康管理の在り方などの検討です。実行計画では兼業による創業・新事業創出や人材確保につながった企業の事例などを紹介し、地域ブロックごとにモデル企業を選定して支援する計画なども盛り込まれています。また、看護師など人手不足の職種では、兼業や副業を通して職場の「下見」をしてから正社員の募集に応募するという人もいます。たとえば、二か所の病院で非正規職員として週に2、3日ずつ働き、職場の雰囲気や働きやすさなどを確認してから正社員として働く職場を決めるといった方法です。この機能のご利用には BizHint にログインをしてください。兼業や副業の機会をもつことで、他社の様子を内部から確認することができます。そのため、現在の職場より兼業先の方が魅力的であれば、社員は魅力のある職場へと流れていく可能性が高いです。過去の裁判例などを通して、兼業に関する法律上、留意すべき点を押さえておきましょう。条文の「事業場を異にする場合」というのは「同一使用者」で事業場が異なる場合を指しており、兼業のように「使用者が異なる場合」を指すものではないという学説があります。この説は学説の中でも有力とされていますが、行政解釈としては通達(昭和23年5月14日、基発769号)に従い、使用者が異なる場合も通算すると考えられています。企業の兼業に関する規定をみると、兼業や副業と見なすのは報酬を得るものに限定している企業もあれば、報酬の有無を問わずものも含めて禁止としているところもあります。まず、自社における兼業や副業はどのようなものを指すのかといった定義を明確し、従業員が共通の概念を持てるようにすることが大切です。全国の労働基準監督署による監督指導の結果をみると、平成29年1月の発表では把握方法が不適切なために指導票を交付した事業場は、実施事業場の11.8%を占めていました。労働時間を正しく把握できていない事業場は、1割を超えているのが実態なのです。兼業や副業を認めた場合、企業の機密情報など重要な情報が外部に漏れることを心配する声は多いです。情報漏えいにつながる行為は、USBなどで重要な情報を持ち出すといった意図的なものだけではありません。兼業先での何気ない会話の中で、あるいは業務を行う中で意図せずに伝えてしまうこともあります。会社の規定で兼業は禁止されているのに、社員の中には会社に内緒で兼業をしている人もいます。会社側が兼業の事実を把握し、当該労働者を懲戒処分にした場合、労働者から訴えられることもあるので人事担当者にとっては頭の痛い問題です。兼業に関する動きは政府の働き方改革のほかに、経済産業省の兼業や副業による新事業創出の促進など国としての取り組みも近年、活発になっています。このような取り組みが必要になった背景には、日本では兼業を禁止している企業が多いため、海外に比べて兼業の割合が低いといった理由があります。なお、自営の場合も「特別加入」が認められることもあるので、加入状況を確認するとよいでしょう。逆に、企業秩序への影響や労務提供に支障がない場合、使用者は社員の「兼業を許可すべき義務を負う」とした瀬里奈事件(東京地判:昭和49年11月7日)の例もあるので注意してください。なお、兼業を許可しなかった会社を相手に争ったマンナ運輸事件(京都地判:平成24年7月13日)では、会社側の不法行為責任を認め、損害賠償の支払いを命ずる判決が出ています。また、兼業や副業をしている状態を二重就業(二重就職)と呼び、同時に複数の事業所と雇用契約を結んでいる労働者(就労者)を「マルチジョブホルダー」ということもあります。兼業と副業はイメージには違いがあるものの、いずれも二つ以上の仕事をしている状態(あるいは、その仕事)を表す言葉として使っているのが現状のようです。その中で、違いとして指摘されているのが雇用契約の有無(兼業は雇用契約あり)、あるいは労働時間や労力のかけ方が「本業とどの程度、違うか」、また、イメージの違いなどです。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。ボランティアもある意味では副業のようなものです。ご自身が本当にやりたいことであれば、今すぐには利益にならなくても経験を積むことで、何年か後に仕事になることもあるでしょう。すでに副業している方やこれから副業を考えていらっしゃる場合は、ご自身の所得税・住民税・社会保険料がいくらになるのか把握する必要があります。サラリーマンの方でも、「副業の所得が1年間で20万円を超えた場合」は確定申告をする必要があります。所得とは「売上-経費」のことです。売上が100万円あったとしても、経費に85万円かかっていれば所得は差し引き15万円になるので、確定申告は不要です。副業解禁の流れができているとはいえ、依然として副業を禁止する会社は少なくありません。しかし、許容される可能性が高い副業もいくつかあります。これまでは労働者の遵守事項に「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定がありましたが、これを削除し新たに「副業・兼業」という章を設けて以下のような条文を追記したのです。なお、青色申告を選択したい場合は、事前に青色申告承認申請書と開業届の提出が必要です。また、青色申告する場合も、白色申告する場合も、帳簿付けや経理作業が必要になります。副業とは、本業以外の仕事で収入を得ることを指します。兼業・サイドビジネスとも呼ばれ、雇用形態によってアルバイト、在宅ビジネス、内職などに分類されます。確定申告には青色申告と白色申告があり、節税効果が高い青色申告がおすすめです。場合によっては、還付金という形で確定申告後にまとまったお金が還ってくるケースもあります。副業には様々な種類があります。ライター業務、投資、ネット販売、短期アルバイト、別の会社で社員として勤務するダブルワーク、起業など……ここでは、いくつか代表的な副業についてご紹介していきます。民泊の他にも、部屋を倉庫として貸し出す副業や、駐車場を貸し出す副業など、自分が持つ資産を有効活用した副業が可能です。ブログやアフィリエイトサイトを運営することで収益を得る副業もメジャーです。特定のテーマで記事を書き、アクセスを集めることができれば、広告収入を得ることができます。個人事業の開業に必要な書類を無料で、自動作成することができます。開業時の忙しい時期の作業を大幅に軽減。青色申告をしたい方は開業届の提出が必須です。そのほかに必要な書類も、ステップに沿って入力するだけで簡単に作成可能!2018年6月から民泊新法が施行され、民泊を始めるためには届け出が必要になりましたが、ご自身が持つ資産を有効活用して収入を得ることができるでしょう。2018年は「副業元年」と言われ、副業解禁の流れが高まっています。本業以外に仕事を持つとはどういうことなのでしょうか?副業を始める前に、そもそも副業とはなんなのか、副業をする上での注意点についてご紹介します。また、競合にあたらない会社であったとしても、本業の機密を漏らすようなことは倫理的に許されないでしょう。2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。機密は漏らさないと本人は言っても、社内での信頼や業務にも支障がでる可能性があります。本業の同僚や上司と気持ちよく仕事をするためにも、本業の競合にあたる会社とは副業をしないことをおすすめします。転職する場合も「競合他社への転職は禁止」としている会社もあるほど、機密情報の漏洩に企業は敏感です。特に技術者の方は注意する必要があるでしょう。これまで副業の定義や、代表的な副業についてご紹介してきましたが、副業OKだったとしても、いくつか知っておかなければならない副業の注意点があります。日本では明確に法律で副業が禁止されているわけではなく、就業後の時間の使い方は個人の自由です。このため、株式投資で利益を出したり、友人の引っ越しの手伝いで報酬をもらった、などのケースが懲戒の対象になることはありません。 まずは、「このような副業は行ってはならない」という注意点です。副業で行うビジネスは基本的には自分が好きな事業内容を選べばよいのですが、次の3つのような場合は、本業の会社から中止を命じられたり、場合によっては損害賠償請求や懲戒処分を受けたりする可能性があります。
副業と兼業(ダブルワーク)、パラレルキャリアの違い. 2つの仕事を掛け持ちすることを「ダブルワーク」というため、副業・兼業・複業で最もダブルワークに近いのは兼業です。 ダブルワークは、掛け持ちしている2つ以上の仕事に対して同等に時間をかけ、同等の収入を得ている場合に用いられる言葉です。
実現会議決定) を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っています。 副業・兼業. 以上、この記事では、「副業」と「兼業」の違いについて解説しました。 副業 :本業を主体として、本業よりも低い労力で行う仕事のこと 兼業 :本業のほかに別の仕事を同じ程度の労力で行うこと