各教科等の目標の解説を共通した章立てで構成 2. 総合的な学習の時間の評価に関する基本的な考え方を再確 認することが必要である。 8 「指導要録における評価を具体的にどのようにすればよいのか分からない」 指導要録における評価について,教育課程審議会答申では,「各学校で評価の観点を定め,評 総合的にとらえて構造化 4 育成すべき資質・能力の三つの柱 ... 指導要録が、次の学年や学校段階において 十分に活用されていない。 学習評価について指摘されている5つの課題. それは総合的な学習の時間の中で,児童が探究的な見方・考え方を働かせながら横断的・総合的な学習に取り組むことにより,よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することにつながるのである。そして,学校教育のみならず,大人になった後に,実社会・実生活の中でも重要な役割を果たしていくのである。こうした探究課題は,特定の教科等の枠組みの中だけで完結するものではない。実社会・実生活の中から見いだされた探究課題に教科等の枠組みを当てはめるのは困難であり,探究課題の解決においては,各教科等の資質・能力が繰り返し何度となく活用・発揮されることが容易に想像できる。調べていく中で,探究している課題が,社会で解決が求められている切実な問題と重なり合っていることを知り,さらにそれに尽力している人と出会うことにより,問題意識は一層深まる。こうしたことを通して,知識や技能は,既知の限られた状況においてのみならず,未知の状況においても課題に応じて自在に駆使できるものとなっていく。実社会や実生活には,解決すべき問題が多方面に広がっている。その問題は,複合的な要素が入り組んでいて,答えが一つに定まらず,容易には解決に至らないことが多い。そのようにして身に付けた「知識及び技能」は,様々な課題の解決において活用・発揮され,うまくいったりうまくいかなかったりする経験を経ながら,学んだ当初とは異なる状況においても自在に駆使できるようになっていく。これら育成を目指す資質・能力の三つの柱は,個別に育成されるものではなく,探究的な学習において,よりよい課題の解決に取り組む中で,相互に関わり合いながら高められていくものとして捉えておく必要がある。このような教科等の学習と教科等横断的な学習の両方が示されていることは我が国の教育課程の大きな特色であり,今回の改訂では改めてその趣旨を明示している。実社会や実生活の中から問いを見いだし,自分で課題を立て,情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする。探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究的な学習のよさを理解するようにする。探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら,積極的に社会に参画しようとする態度を養う。同一の学習対象でも,個別に追究する児童の課題が多様であれば,互いの情報を結び合わせて,現実の問題の複雑さや総合性に気付くこともある。総合的な学習の時間で育成することを目指す資質・能力については,他教科等と同様に,総則に示された「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」という三つの柱から明示された。ここに見られるのは,課題を解決する中で資質・能力を育成する一方,課題の解決には一定の資質・能力が必要となるという双方向的な関係である。このことが,個別の「知識及び技能」の習得という段階を超えた,「思考力,判断力,表現力等」の育成という段階である。総合的な学習の時間のねらいや育成を目指す資質・能力を明確にし,その特質と目指すところが何かを端的に示したものが,以下の総合的な学習の時間の目標である。
学校種間の対応する内容についてリンクで移動 など … 目標解説の内容が捉えやすいように原文を装飾 2. 本書は,大綱的な基準である学習指導要領の記述の意味や解釈などの詳細につ いて説明するために,文部科学省が作成するものであり,小学校学習指導要領第 5章「総合的な学習の時間」について,その改善の趣旨や内容を解説している。
総合的な学習の時間の評価については、各学校が自ら設定した観点の趣旨を明らかにした上で,それらの観点のうち, 生徒の学習状況に顕著な事項がある場合などにその特徴を記入する等,生徒にどのような資質・能力が身に付いたかを文 他教科等・他学校種の目標や解説が比較しやすように編集具体的には,本文は原文通りで,次のように編集しています。 1. 平成29年告示の学習指導要領では,資質・能力や内容などの全体像を分かりやすく見渡せるよう,枠組みが大きく見直され「学びの地図」として整理されました。その趣旨に添い,本稿では,解説本文を次のように編集しています。 1. 総合的な学習の時間の評価においても、観点別の学習状況評価を基本とする。あらかじめいくつか あらかじめいくつか の観点を設定しておくのは、資質や能力及び態度がどのようにはぐくまれ、何を学び …