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改めて、検察官に国家公務員法の定年後勤務延長規定を適用した政府の法解 釈変更の撤回と、検察庁法改正案中の勤務延長規定の削除を求める会長声明; 会長声明・決議・意見書(2020年度) 一覧へ戻る 検察官の任命権者は内閣、各大臣にあり、定年の規定は国家公務員法、検察庁法には「退官」ですが検事長の定年は63歳とされています。第八十一条の二 職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは…逆に、どんな場合であっても勤務延長を認めないとすることは柔軟性に欠け、国家運営・司法行政にとって潜在的なリスクがあることになってしまいます。黒川検事長の定年後「勤務延長」の適法性に疑問を呈している指摘は以下。そのため、検察庁法をベースに考えるべきで、特別法たる検察庁法に勤務延長の規定が無い以上は勤務延長はできないのだとする見解も出てきそうです。「特例」を定めた規定ですから、この点は安倍内閣はきちんとした説明ができなければならないと思います。検察庁法の「退官」と国家公務員法の「定年」の関係は一見すると分かりませんが、「退官」は「定年即退職」の意味のようで、運用もそのようになっています。しかし、仮にそれが正しいとしても勤務延長を1年を超えない範囲で行ったとしても、検察官の職務の特殊性から要求される要素(それが何かは不明だが)を毀損するとは思えません。国公法81条の3第一項の勤務延長の規定の「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合」について。しかし国公法81条の3は「前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において」と書いているので問題になります。ただし、検察官の退官については別途、検察庁法に規定があります。今回の黒川検事長の退職日の特例は朝日新聞の報道によると「カルロス・ゴーン被告の事件の捜査」が原因とありますが、この報道が本当だとするとちょっと「十分な理由」があるかどうかは疑問です。沿革的には検察庁法が先にできて国公法の「定年」規定は後にでき、勤務延長の規定はそれに伴って規定されたものという経緯があります。そのため、検察官には国公法81条の3第一項の勤務延長の規定が適用されないのではないか?という指摘があります。公権解釈=国の考えを記したと思われる『逐条国家公務員法<全訂版>が『同条によって定年延長が認められるのは、「前条第一項の規定により定年で退職することとなる職員である』と記述しているのもそのような意味と捉えれば矛盾は生じません。更には、仮に「十分な理由」があるとして、メディアが「黒川検事長を検事総長に任命するためだ。検事総長なら定年が65歳だからだ」と指摘するように安倍内閣が黒川検事長を検事総長に任命した場合の妥当性はどうでしょう?郷原氏(渡辺弁護士も同様の認識だろう)は、検察庁法の趣旨をこのように解するとすれば、定年後の勤務延長は認められるべきではないと考えているのでしょう。国公法は検察庁法だけを見ているわけではなく、多数存在する(或いはこれから作られる)行政の組織法を視野に入れているはずで、国公法が措定している「別段の定め」とは、特別法たる組織法において勤務延長の規定がある場合が標準になっているのではないでしょうか。こう考えると「前条第一項の規定により」という文言と抵触すると考えるかもしれませんが、81条の2第一項の文言を以下のように理解すればどうでしょう?さて、これは争いがありうるとは思いますが、内閣の側に立って適法となるロジックを考えてみました。安倍内閣が黒川検事長を6か月間「勤務延長」することを閣議決定した件。法務省の森まさこ法相は検察庁法に該当する規定が無い場合には国家公務員法が適用されると考えているようです。国公法1条が「職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さるべきことを定め、以て国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障することを目的」としていることからも許容される考え方ではないでしょうか?検察官は一般職の国家公務員なので、基本的に国家公務員法の規定が適用されます。 国家公務員の定年制度等の概要 第1 定年制度の目的 適正な新陳代謝の促進と長期的展望に立った計画的な人事管理の展開を通じて、職員 の志気の高揚を図り、組織の活力を維持するとともに、職員を安んじて公務に専念させ、 しかし、検察官の「定年延長」が、国家公務員法の規定によって認められるのか、重大な疑問がある。 検察庁法22条は、「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と定めている。 したがって、国家公務員法81条の3による「勤務延長」の対象外であり、今回、検察官の定年退官後の「勤務延長」を閣議決定したのは検察庁法に違反する疑いがある。それにしても、安倍内閣は、なぜ、違法の疑いのある定年後の勤務延長の閣議決定を敢えて行ってまで、黒川氏を検察にとどめたいのか。余程の理由があるからであろう。そこには、次期検事総長人事をにらんだものとの臆測もある。国家公務員法では、職務の特殊性や特別の事情から、退職により公務に支障がある場合、1年未満なら引き続き勤務させることができると定めているので、この規定を適用して、東京高検検事長の勤務を延長することにしたとのことだ。1月31日、政府は、2月7日で定年退官する予定だった東京高検検事長の黒川弘務氏について、半年後の8月7日まで勤務を延長させることを閣議決定したと報じられている。黒川氏の定年後の「勤務延長」の表向きの理由は、「政府関係者によると、業務遂行上の必要性とは、保釈中に逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の事件の捜査を指す」(朝日)とのことだが、高検検事長が、レバノンに逃亡したゴーン氏の事件で一体何をやると言うのか。捜査の実務は東京地検が行い、外国との交渉は法務省で行えばよいのであり、高検が関与する必要はないはずだ。検察庁法22条は、検察官の定年の年齢を定めただけで、検察官も国家公務員である以上、定年による退職は、国家公務員法に基づくものだという解釈をとったのかもしれないが、検察庁法が、刑訴法上強大な権限を与えられている検察官について、様々な「欠格事由」を定めていることからしても、検察庁法は、検察官の職務の特殊性も考慮して、検事総長以外の検察官が63歳を超えて勤務することを禁じる趣旨と解するべきであり、検察官の定年退官は、国家公務員法の規定ではなく、検察庁法の規定によって行われると解釈すべきだろう。それによって、これまでの検察が至上命題としてきた「検察の独立性」のドグマが、「検事総長人事」という組織の中核から、事実上崩壊することになる。以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。新規投稿をメールで受け取るにはメールアドレスを記入してください。検察庁法22条は、「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と定めている。しかし、検察官の「定年延長」が、国家公務員法の規定によって認められるのか、重大な疑問がある。しかし、この「前条第1項」というのは、同法81条の2第1項の「職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日又は第55条第1項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。」という規定であり、この規定で「法律に別段の定めのある場合を除き」とされている「別段の定め」が検察官の場合の検察庁法22条である。検察官の場合、定年退官は、国家公務員法の規定ではなく、検察庁法の規定によるものであり、81条の2の「第1項」の規定によるものではない。法律上は、検事総長を任命するのは内閣である。しかし、これまでは、前任の検事総長が後任を決めるのが慣例とされ、政治的判断を排除することが、検察の職権行使の独立性の象徴ともされてきた。今回の東京高検検事長の定年後の勤務延長という違法の疑いのある閣議決定によって内閣が検事総長を指名することになるとすれば、政権側が名実ともに検察のトップを指名できることになり、政権側の意向と検察の権限行使の関係にも多大な影響を生じさせる。国家公務員法第81条の3で、「任命権者は、定年に達した職員が前条第1項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」とされており、この規定を根拠に定年後の「勤務延長」を閣議決定したものと思われる。

国家公務員の定年延長は次の条文である国公法81条の3で定められていますが、当然ながら 同条によって定年延長が認められるのは、「前条第一項の規定により定年で退職することとなる職員である。」(698頁)とされます。 1.政府は、本年1月31日、東京高等検察庁検事長について、国家公務員法第81条の3の勤務延長の規定を適用し、同検事長の定年を同年8月7日まで延長する閣議決定を唐突に行った(以下、本閣議決定とい …