© 2020 感想ライブラリー. All rights reserved.しかし、そのまた二人は同じ同期であって。共に良き友人でもあり。また良きライバルでもありました。そして、最後には教授を目前に死んでしまうのですが、それもまたこの小説の魅力の醍醐味となり本当に面白い作品でした。そんなことから、かなり昔にかかれたものながら、共感する面は大きかったです。さて、人間というのは弱いものです。そして、主人公である外科医の財前五郎の心についても、やはり、人間の弱い部分が描かれていると思われました。強気に見える人間ほど、実は虚勢であり、弱さがあるのだと思います。若い頃、なぜ、白い巨塔というタイトルになっているのか、理解できませんでした。しかし、原作を読んでみると、白い巨塔というタイトルの意味が、よく理解できました。また、一般人からは想像できない、医学界の現実というものがわかったような気がしたのでした。また、当時ではこの白い巨塔のような内容である医者の権力争いについてのことのお話と言うのが物凄く斬新な感じがしてなりませんでした。私は今、現在まだ40代ですので、この白い巨塔が出版された頃にはまだ生まれていませんでしたが、恐らく当時は世の中を圧巻させたであろう作品だと思いました。私は初めてこの小説を読んだ時は、やはり山崎豊子さんらしい本だなっと思いました。勿論、他にもたくさん山崎豊子さんの本はこれまでに読んできましたので、ですので冒頭から山崎豊子さんらしい表現と言うか入り方だなっと思いました。そして、財前五郎を取り巻く人間たちの心理的な描写には、つい、引き込まれてしまいました。特に、財前五郎とは、正反対の言動をとる里見医師には、やはり、意志としてだけでなく、人間として、魅力を感じてしまいました。しかし、現実には、このような医師は少数だと思います。その点では、残念だとおもわざるを得ません。この物語は、もう40年以上も昔にかかれたものです。そして、医学界のいろいろな問題について描かれています。また、映画化やドラマ化もされ、話題になったものです。原作を読んでみて、医学界の闇というものの深さがよくわかりました。また、それについては、今も変わらないとも思われました。そして、最後には自分の体を使って今後の医師や医療の役に立てて欲しいと願い死んでいきました。また、最後には親友でもあった里見先生には素直な今の気持ちを伝え、自らの弱さを打ち明けるのでありました。いつもは強気な財前先生がいつしか病になってからは弱気な財前先生へとなっていったのでした。また、代わりに違う人が書いたとしてもこれほど上手に表現出来なかったと思います。私もこの時代のことをそれほど詳しくは知りませんが、本当にこの当時の医師の世界をリアルに表現しているので、改めて今でも感銘します。一人の医師がただただ夢である教授の席を狙い、闇雲に上り詰めていく姿はどこか憎らしいところもあるのですが、逆に見ればその貪欲さがかえって魅力的にも見えました。メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。医師の中の世界による覇権争い、派閥、また権力争いによる抗争。医師の世界に問わず、どこの世界でもこのようなことは繰り広げられていますが、そこをまた医師の世界にしたと言うのが山崎豊子さんらしい素晴らしい発想だと思いました。また、山崎豊子さんだからこそ書けた作品、小説だとも思います。最近になって、再びまたテレビで放送されましたので気になり小説の方を読みました。医師達による権力争いを山崎豊子さん風に描かれており物凄く読んでいて引き込まれていきます。主人公である財前先生がオペでミスをおかすのですが、それをまた隠蔽することにより、より大きな問題となり結果的には裁判で負けてしまうと言う悲しい物語です。更には、奥さんがいながら愛人もいたのですが、その愛人にも一時期は愛想をつかされ離れはしたのですが。最後に亡くなる時には、病院まで駆けつけて来てくれていました。財前先生とは愛されもした人間でもありましたが、憎まれる財前先生でもありました。また、里見先生は真逆で人からは常に愛され続け、そして堅実な技量により信頼もされていました。自信過剰なゆえにミスをミスと認めず、またその為には手段を選ばないところが恐ろしいところです。部下である医師やナースまた研修医までもを巻き込み、そして脅迫し自らの罪を隠そうとまでしてしまいます。そして、そんな中親友でもある同じ医師の里見先生にまで己の強さや権力をひけらかしてしまいます。財前先生と里見先生の生き様もまたよく書かれた作品だったと思います。古き悲しき時代の小説です。そして、やがてはそんな周りからいつしか裏切られ裁判にまで負けてしまうはめになります。罪を認め、諦めるどころかますます対抗しようとした矢先に己の病に気づかず最後は自ら得意とする膵臓癌により死んでしまいます。本来なら医師だからこそ気づくはずの病が自らのミスに起きた案件のために多忙となり全く病に気がつかなかったのでした。そして、財前五郎という男性は、実は、弱い心の持ち主なんだと思いました。また、いろいろな立場やお金を利用して、自分の名誉欲を満たそうとする医師たちの姿を読み、そのために弱い立場にある患者たちがないがしろにされる現実には、憤りさえ感じられました。また、あってはならないものだと思わされました。また、裁判というものがどのようなものであるかも、よく理解できました。そして、判決結果に対する財前五郎の姿勢には、やはり、人間の弱さや愚かさを感じてしまいました。普段、裁判などとは無縁で暮らしているので、裁判の様子の描写については、つい、夢中になって読んでしまいました。また、逆に権力や地位、そして名誉などには興味を持たず、ただただ目の前の患者のことだけを考える医師もいました。その医師は医師でとても人間味が溢れ出ており、人としては本当に素晴らしく見ているだけでこちらも心が洗われました。同じ医師であっても、また同じ世界にいるにも関わらずこのように全く方向性の違う二人。
まずは、『アメイジング・グレイス』をお聞きください!イギリスの牧師、ジョン・ニュートンが作詞。作曲者は不詳となっていますが、スコットランドの民謡という説や、南アメリカで作られたなど諸説あります。奴隷商人から牧師に転身した男が書いた、懺悔と感謝の歌で、日本では結婚式に使われる場合もありますが、世界ではお葬式に使われる場合もあるそうです。出典:Amazon歌詞をじっくり読めば、結婚式には少しそぐわない部分もあるなーと感じるのですが、曲調や賛美歌という観点から見る …
タイトルからして意味深・・・笑 さて何のことかと言ったら、 白い巨塔はフジテレビ開局45周年記念番組ということもあって 大々的に宣伝が行われたらしい。 その際、主演の唐沢さんは財前のイメージを守るため初回放送後は番宣にほとんど出演 超初心者の質問で申し訳ないのですが、「白い巨塔」を英語で言うとどうなるのでしょうか?「塔(=tower)」という名詞に「白い(=white)」と「巨大な(big or tallかな?)」という二つの形容詞が掛かっているのだと思うのですが、こういうと こんにちは。「白い巨塔」が再びドラマ化されました。小説としてもこの作品は高い評価を得ています。そこで質問です。1、この作品の教訓とは何でしょうか? 人によって違うと思います。2、この作品以降、医学界は何か変わったので タイトルの意味 『白い巨塔』という象徴的なタイトルは物語の終盤にて判明する。 「外見は学究的で進歩的に見えながら、その厚い強固な壁の内側は封権的な人間関係と特殊な組織で築かれ、一人が動いても、微動だにしない非情な世界」 。
2019年に岡田准一主演で「白い巨塔」が地上波で登場することになりました。 1966年の田宮二郎氏主演から直近の2003年の唐沢寿明主演のものまで何度となく好評を博してきました。 そして今回岡田准一さんが主演ということで今からワクワクが止まりません。
若い頃、なぜ、白い巨塔というタイトルになっているのか、理解できませんでした。しかし、原作を読んでみると、白い巨塔というタイトルの意味が、よく理解できました。
裁判では、「外科手術に踏み切った根拠に必要の度合を超えるものがあったかどうかが問題。仮に術前検査を怠った結果患者が死に至ったのであれば臨床医として軽率だったといわざるを得ない」という大河内の厳正な病理解剖鑑定や里見の証言などにより被告側(財前)はピンチに陥るが、鵜飼医学部長の内意を受けた洛北大学名誉教授・唐木の鑑定、受持医の柳原の偽証(裁判所には全面的に採用されなかったが)もあって第一審で勝訴。判決文によれば、財前の道義的な責任を認めながらも、極めて高次元な場合で法的責任は問えないという理由であった。ドイツにおける外科学会での特別講演、ミュンヘン大学における供覧手術など国際的な外科医として華々しくデビューし、栄光の絶頂を味わって帰国した財前を待っていたのは、「財前教授訴えられる」という見出しで始まる毎朝新聞のゲラ刷りだった。失意のまま密かに帰阪した財前は鵜飼宅に直行。激昂した鵜飼に一時は見限られかけるが、巧みに説得して関係を修復し、法律面では老練な弁護士・河野に代理人を依頼。受持医・柳原や渡独中の医長代理であった助教授・金井など病院関係者への工作に加え、医学界の権威に鑑定人を依頼する。一方の遺族側も正義感あふれる関口弁護士に依頼。里見、東の助力で鑑定人を立てる。この間、財前は佐々木庸平と容貌・立場・病状が酷似した患者を気は進まぬながらも診療し、術後の合併症にも献身的に対応して完治せしめている。食道噴門癌の若き権威として高い知名度を誇る財前の許には、全国から患者が集まってくる。その多くは、著名な有力者やその紹介の特診患者。その卓越した技量と実績に裏打ちされた自信と、野心家であくが強い性格の持ち主である財前を快く思わない第一外科教授・東貞蔵は何かにつけて苦言を呈する。また、普段から一匹狼の気があり、財前を嫌う整形外科教授・野坂は、皮膚科教授・乾や小児科教授・河合と共に、第三派閥の代表となるべく独自の候補者として財前の前任助教授であった徳島大学教授・葛西を擁立。それらに対し、財前は産婦人科医院を開業している義父・又一の財力と人脈を背景に、以心伝心の間柄にある医師会長・岩田重吉を通して岩田の同級生である浪速大学医学部長・鵜飼を篭絡。鵜飼派の地固めを狙う鵜飼もこれを引き受け、腹心の産婦人科教授・葉山を通して画策に入る。一方で財前は医局長の佃を抱きこみ、医局内工作に乗り出す。佐々木庸平の遺族は裁判途中に大手元売による「真珠湾攻撃(強引な債権回収手段のひとつ。相手の油断している日曜の早朝などを狙って押しかけ、納入した品物を回収すること)」もあって経営に行き詰まり、遂に倒産の憂き目に会う。一家はそれでも、「せめて裁判で勝訴するまでは商売を続けたい」という執念により船場の一角にある共同販売所に入って細々と商売を続ける。選挙は野坂による票の横流しなどで窮地に立つが、得意の裏取引や、第三の候補者を引き下ろすなどの強引な運動もあって勝利する。しかし、裁判は大詰めの当事者尋問の時に、関口の鋭い尋問で窮地にたった財前は柳原に責任転嫁。財前は次期教授の座を得るため、表面上は上手に受け流すも馬耳東風。次第に東は他大学からの教授移入を画策。後輩でもある母校の東都大学教授・船尾に然るべき後任者の紹介を依頼。寡黙な学究肌の心臓外科医、金沢大学教授・菊川を推薦される。菊川が大人しい性格である上に、妻に先立たれ独身である事に目をつけ、東は自身の引退後の第一外科における影響力確保を目論む。教授に就任した直後、財前はドイツ外科学会から特別講演に招聘され、得意の絶頂に。