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元は基本設計を同じくする姉妹車である日産ルークスと三菱eKクロススペース/eKスペース(以下クロス/スペース)。ではそれぞれの違いはどこにある? 外観から装備までそれぞれの違いを見ていこう。 収納スペース・その他装備 ... よりセーフティに。 先進安全パッケージ 【パッケージメーカーオプション】G、T. スカイラインとブリヂストンのゴルフボールとの不思議なつながり【車名の由来Vol.005】三菱自動車 デザイン本部 プロダクトデザイン部 デザインプログラムマネージャーの大石聖二さんは、「日産側は、キャラクターラインをもっと斜めにしたかったようです。そのほうが勢いは出ます。ただし箱ですから。水平基調のほうがSUV風になりますし(笑)。それこそミリ単位のせめぎ合いでした。ともすればスーパーハイトワゴンは真四角にしか見えない造形になりがちです。でもそうならないよう削げるところは削ぎ、くぼみもちゃんとつけ、フードの丸み感なども他社のモデルに比べて十分表現できたかと思います。純粋にデザイン面ではやり切った感はあります。唯一心残りがあるとすれば、アルミホイールの意匠がeKクロスと同じことくらい。ここは必ず変えたいです。それと、eKスペースのヘッドライトがハロゲンバルブだけということ。まぁ、これは商品企画的なことですが」と語ってくれた。室内の空気を循環させる好評のリヤサーキュレーターは継続採用。後付け感のあった先代より、新型は天井と一体化させるとともに前席からも操作できるよう操作スイッチを本体下部に移設。プラズマクラスター機能も追加した。加えて助手席の背面にポケットとシートバックテーブル、タブレットやスマートフォンの充電に便利な急速充電用のUSBポートも設置。後席の快適性と利便性を高めた。さらに、三菱の軽自動車では初となる「ヒルディセントコントロール」を全車に搭載。ラフロードでの下り坂や立体駐車場のスロープなどを下る際、クルマがブレーキを制御して約4〜20㎞/hの範囲でコントロールすることで、慌てることなくステアリング操作に集中できる。また、スライドドアの開口幅を先代の555㎜からクラストップレベルの約650㎜として、足をかけるステップ部の幅も394㎜(先代は246㎜)と大幅に拡大。格段に乗り降りしやすくなった。加えて、両手がふさがった状態でも足をフロア下のセンサー部に差し入れるだけでスライドドアが開く「ハンズフリーオートスライド」機構をオプション設定する。eKクロス/eKワゴンに先行搭載された高速道路同一車線運転支援技術「マイパイロット」も機能をアップデートした最新版を搭載。新たに、前方車両を追い越す際にウインカーを出すと車線変更前に加速し、車間を短く制御することでより自然に車線変更できるようになった。また、従来型より作動範囲を拡大。ワイパーHI(高速)時でもACCを、LKAはLO(低速、従来は間欠まで)まで使えるよう進化。デザインは、先のeKクロス/eKワゴンと同じく日産との共同。全高こそ先代より5㎜高い1780㎜(FF車)だが、ヒップポイントは90㎜ほど高められ、高い位置から見下ろすようなスーパーハイトの定石に沿ったパッケージングへと進化。それに伴いボンネットフードの位置を高めたことで、アンダーボディとグラスエリアのバランスは大幅に改善。ちなみにメタルパーツは日産/三菱ともに共通だという。全車標準の安全装備「eアシスト」も機能が充実。eKクロス/eKワゴンより、新たに「標識検知機能」と「ふらつき警報」、「先行車発進お知らせ」、そして「前方衝突予測警報」が加わった。前方衝突予測警報は、ミリ波レーダーにより2台前の車両の挙動を感知。2台前のクルマが急ブレーキを踏むと警報音で知らせ、玉突き事故を抑制する新機能だ。マツダCX-5、LED回路が腐食して車幅灯、補助灯が点灯しなくなるおそれ【リコール】さらに、先代でも十分な後席のスライド量は、プラス60㎜の320㎜とライバルを圧倒。最前端にセットすれば運転席からも手が届き、例えば、運転席に座ったままで後席に座る子どものケアができる。その際に利便性を高めるのが、助手席の内側に新設された「助手席リクライニングレバー」(eKスペースへ標準装備、eKクロス スペースはオプション)。また、後席は左右分割でスライドするためフレキシブルに使え、最前端にすれば荷室に大型のスーツケースやB型のベビーカーも積める。軽スーパーハイトワゴンに求められるパッケージングや使い勝手のよさも、最後発だけに抜かりはない。具体的には、室内幅(エルボールーム)を先代より23㎜拡大。ホイールベースを65㎜延長したことで、後席のニールームも73㎜広がった。室内高も1400㎜(リヤサーキュレーター装着車は1390㎜)とし、小さな子どもなら立ったままでも着替えられる室内空間を実現している。目下、軽スーパーハイトワゴン市場は首位を走るホンダ Nボックスを筆頭に、強力なライバルがひしめく激戦区。そこへ最後発として投入されるだけに、全方位でクラストップレベルの性能を目指したのはもちろん、他社にはない“三菱らしさ”が感じられるテイストと機能を加えた。2014年2月に発売した先代、そして2019年3月登場の「eKクロス」、「eKワゴン」と同じく、日産と三菱の合弁会社であるNMKVが企画・開発。先のeKクロス/eKワゴンと同じく、この新型から開発担当は三菱から日産へ移行している。eKクロス スペースの特徴は、やはり次世代三菱車のデザインコンセプトである“ダイナミックシールド”を採用した顔つき。同車は7眼薄型LEDヘッドライトが標準で、さらにハイビーム時に対向車や先行車を認識し、12個のLEDバルブの照射数を自動的に増減させることで幻惑を防ぐ「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」をオプション設定する。後者は、消灯時はメッキ加飾のように見える部分が夜間(ヘッドライト点灯時)はシグネチャーランプとして点灯するハーフミラー仕様となる。eKクロス スペースは、テーマカラーのオリーブグリーン+ホワイトルーフを含め2トーン6種、モノトーン7種の全13色。eKスペースは3種の2トーンを含む全9色と豊富なバリエーションを展開。「eKクロス以上に色には敏感なお客様がいると思いますので。頑張って増やせるところまで増やしました(笑)」(大石)。eKクロス スペースにはブラック基調の撥水ファブリックシートのほか、ブラック×ブラウンのコーディネーションに合皮を組み合わせ上質に仕立てた「プレミアムインテリアパッケージ」をオプション設定。eKスペースは、グレージュ(グレー・ベージュ)の撥水ファブリックを基調としたリラックスできる空間を狙った。そのひとつが、従来の“カスタム”に代わり新設されたeKクロス スペース。SUV風のルックスにより“頼もしさ”を付与。一方、スタンダードのeKスペースは名前を踏襲しながら、より洗練されたデザインとすることで2車のキャラクターを明確に差別化した。前者のターゲットユーザーは、子どもが手離れして自由な時間が増えた40〜50歳代の男性。一方で後者は、ほかのママ友とは違うモノ選びをしたい、子育て中の30歳代の既婚女性とのことだ。車体の特徴も、先代から大きく変わった。SUVらしさを強調するブラック&シルバーのパーツ。65㎜のホイールベース延長によりタイヤを四隅に配した踏ん張り感のあるスタンス、前後を貫く、強く勢いのある骨格、そしてスーパーハイトワゴンながらスリークなキャビンと厚みのあるボディを実現した。基本骨格はスタンダードのeKスペースも共通だ。Nボックスをベンチマークに据え、先代までのネガをすべて払拭。「何を比べても負けない」と満を持して送り出された新型eKクロス スペース/eKスペース。軽スーパーハイトワゴンの頂点に立つ資質は十分とみた。プラットフォームと基本のメカコンポーネントはeKクロス/eKワゴンと共通。コンパクトなエンジンルームには、ルノーが開発した800ccをベースに日産が軽自動車用として新たに設計したBR06型を搭載。従来の3B20型よりロングストローク化され、NAは52馬力/6.1kgm、ターボは64馬力/10.2kgmを発揮。これにステップ変速の新型CVTを組み合わせる。ターボエンジン搭載のTには、ステアリングパドルシフトが備わる。2020年2月6日、三菱の新型軽スーパーハイトワゴン「eKクロス スペース」と「eKスペース」が発表された。全車ハイブリッドシステムを搭載し、価格は前者が165万5500(M・FF)〜199万1000円(T・4WD)、後者が139万9200(M・FF)〜176万7700円(T・4WD)。