愚行録小説ネタバレ

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①『週刊テラス』の記者・田中は約1年前に起きた田向家一家殺人事件の、後追い取材を願い出る。田中の妹・光子が育児放棄で逮捕されたと知る上司は容認。田向夫妻の関係者に聞き込みをかけることで、夫・浩樹、妻・友季恵の過去が浮き彫りに。②犯人は幼少期に父から性的虐待を受けていた田中の妹・光子、その可能性を指摘した宮村淳子は田中に殺害された。光子の娘は死ぬが、その父親は田中（兄）だった。ミステリーの大家、貫井徳郎さん著作の「愚行録」。発売当時は、その独特な切り口や表現方法から話題を呼びました。そして発売から10年以上が経った今年、そんな「愚行録」の実写映画化が決定しました！直木賞候補作にも選ばれた本作ですが、一体どんなストーリーなのでしょうか。貫井徳郎『愚行録』の感想・レビュー一覧です。電子書籍版の無料試し読みあり。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。

「愚か」なのは6人の語り手でもあり、また私たち読者もそうなのかもしれません。そうして何かが狂ってしまった光子は犯行に及んでしまった、という流れですね。そして、小説「愚行録」ではインタビューの間に「誰かわからない女性」が「お兄ちゃん」に向けて語る謎の独白が差し込まれています。事件の犯人や結末はもちろん、人間の「愚かさ」を突きつけられるような作品「愚行録」事件の真相を探る田中は、被害者夫妻と関わりのあった人々にインタビューをしていく。妻夫木聡さんが事件を探る記者・田中役を、満島ひかりさんが田中の妹・光子を演じます。彼は光子が唯一頼れる肉親で、光子の罪が露見する可能性を調べるためにインタビューを行っていたのでした。だから、光子は次々に男を紹介してくれる田向夫人にはむしろ感謝していたのです。インタビューを続ける田中は、人によって語られる「田向夫妻」の人物像が異なることに気がつく。田向夫人は美人だが家柄が良くなく、内部生と付き合いたがっていた「田中光子」という同級生に次々に内部生の男を紹介していた。彼女は両親に虐待されながら育ち、家柄の良い金持ちの男と結婚することで惨めな過去から抜け出そうとしていました。いつまでも若々しく、利発そうな子供たちを連れて幸せそうで、高級なスイーツでも値段を気にすることなく買っていく田向夫人。しかし、実は小説「愚行録」で描かれている愚かさはそれだけではありません。また、夫についても「頼れる人」という評価がある一方で、酷い女性関係や同期の左遷などの黒い噂が語られました。夫はエリートサラリーマン、妻は美人で、子供兄妹2人も可愛らしく躾が行き届いている…そんな理想的な「幸せな家庭」光子は、自身も虐待されて育ったために、子供を虐待しているという感覚はありませんでした。また、田中光子は物語の間に差し挟まれた「独白」の主でもありました。犯人や結末の意外さはもちろん、タイトルにもなっている「人間の愚かさ」を突きつけられるようなストーリーが印象的です。光子は田向一家の事件の犯人としてはバレていないものの、別件ですでに逮捕されていたのです。>>見放題動画は充実の180,000本！<<6人の関係者が田向夫妻についてそれぞれの印象を話していきます。ネタバレの後だと、このキャストと配役に「おおっ」と衝撃を受けますよね。しかし、光子はいつも体だけもてあそばれて、すぐにフラれてしまう。いまだに解決されていないこの事件、なぜ順風満帆な田向一家があんなことになってしまったのだろうか？宮村は田向夫人ことを「性格の悪い女」「自分は興味がなかった」と言いつつも、一方ではそれは光子にとって「世間の不公平さ」以外の何物でもありませんでした。彼らは客観的に田向夫妻のことを語っているようで、実は自分のコンプレックスや妬みなどの「自分語り」をしていたとも言えます。と前置きして、田向夫人がいかに醜い人間であったかについて細かく語ります。人が人に抱くネガティブな感情、それを隠したり正当化したりしようとする言葉からにじみ出るドロッとした本心。イヤミスやドロッとした作品が好きな方におススメしたい映画です。田向夫人のことを「清楚」「無邪気」「品が良い」と評価する人物がいる一方で、4人目の語り部（大学の同級生）である宮村は夫人のことを「性格が悪い」と語りました。田中武志……妻夫木聡田中光子……満島ひかり田向浩樹……小出恵介宮村淳子……臼田あさ美稲村恵美……市川由衣夏原（田向）友希恵……松本若菜尾形孝之……中村倫也山本礼子……松本まりか渡辺正人……眞島秀和橘美紗子……濱田マリ杉田茂夫……平田満武志と光子の母……山下容莉枝村本……小松勇司武志の上司……髙橋洋 ※以下、ネタバレ注意！小説「愚行録」の冒頭はとある別の事件の話題から始まります。『育児放棄による女児が亡くなった事件で、母親が逮捕』そして物語は本筋へ。6人の関係者が田向夫妻についてそれぞれの印象を話していきます。田向夫人のことを「清楚」「無邪気」「品が良い」と評価する人物がいる一方で、4人目の語り部（大学の同級生）である宮村は夫人のことを「性格が悪い」と語りました。宮村は語ります。田向夫 … ・さんざん会社の女性を弄んだ田向とその同僚。同僚は亡き田向のことを思い出し「なんであんなに良い奴が…」と涙ぐむ。物語の主人公である田中はなぜ「田向家事件」を調査していたのでしょうか？一方、それに比べると映画「愚行録」では最初から田中と光子が兄妹だと明かされていたりと、ミステリー要素は弱まっていた印象です。田中は光子を守るために、インタビューをする一方で真実を知る人間がいないか調査していたんですね。・大学内のヒエラルキー。家柄のよい内部生と、大学から入った外部性を巡る嫉妬や羨望。宮村は内部生に受け入れられていた田向夫人に憧れ、嫉妬していたものの、記者・田中には『自分の方が立場が上だった』と話す。記者としての仕事に没頭することで妹の事件から思考を切り離すため…ではありません。なぜなら、兄である田中は妹・光子が田向家の犯人であることを最初から知っているからです。このキャッチコピーは映画内のどの部分を意味しているのでしょうか？明言こそされませんでしたが、子供の父親が田中その人であることは間違いないでしょう。また、感想の方に書き忘れたのですが、なんといってもまずはキャストがいい味出してます！田向家はその気づきのトリガーになったため、犠牲になってしまったんですね。代わりに、映画版ではそれぞれの証言が映像化されることにより「起こった出来事」がより生々しく感じられました。結局、育児放棄により危篤状態だった子どもは息を引き取ってしまったわけなんですが、最後まで残った謎は「この子の父親は誰なのか？」という点。主人公・田中の妹が育児放棄によって逮捕され、子供は生命の危機。妹の光子は精神鑑定にかけられている。私の目当ては満島ひかりさんだったのですが、他のキャストも演技派ぞろいですね。光子は育児放棄の件で逮捕されてはいるものの、田向家の事件の犯人であることはまだバレていません。映画「愚行録」を見ると「登場人物全員、悪いやつ・愚かなやつばっかり」という感想を抱くと思います。・大学生になった光子は、幸せな家庭を築くために「内部生」と呼ばれる家柄のよい男子との結婚を夢見る。ネタバレでストーリーを知っていたとしても十分に楽しめる映画なので、興味を持たれた方はぜひチェックしてみてくださいね！・バスで田中に「お年寄りに席を譲れ」と高圧的に言ってきたおじさん。田中が足を不自由にする演技をしながら席を譲ると、気まずい顔をしながら何も言ってはこない。物語のネタバレを知っていたにも関わらず、あっという間に上映時間が過ぎていってしまいました。そして、映画を見ている私たちもまた「愚かな、そして普通の人間」の1人なのではないかと…。ほぼ同じストーリーなのに媒体によって印象がかなり変わる、というのも面白い話ですよね。映画サイトによれば「映像化不可能と言われた超問題作、ついに完全映画化！」とのこと。「愚かな人間がいる」のではなく「人間とは愚かなのだ」という考え方。記者である田中が調査している約1年前に起きた「田向家惨殺事件」小説「愚行録」はミステリー要素が強く、物語の展開そのものに強く引き付けられました。今回はそんな映画「愚行録」の感想や解説などについて書いていきたいと思います。最後に大きくスクリーンに映し出されたタイトル「愚行録」の文字がひどく印象的でした。一見すると動機は「復讐」に見えますが、小説によればそうではありません。・しかし、実際には体目当ての内部性にとっての「都合のいい女」というポジションになってしまう。その際に光子を内部生の男子に斡旋していたのが田向夫人。・その後、光子はシングルマザーに。子供は光子に笑顔を見せてくれない。これは映画「愚行録」のキャッチコピーですが、まさにその通り！と納得してしまう物語展開。タイトルの通り「愚かさ」について考えさせられる作品。というのが見終わった直後の感想ですね。「面白い」という言葉が適当かはわかりませんが、引き込まれる作品でした。しかし、改めて考えてみると映画内の登場人物って案外「どこにでもいるような普通の人たち」ばかりなんです。まあ、一言で言えば「面白かった！」ということなんですが…（笑）また、妻夫木聡さんの若人にはできないような渋い演技にもグッときました。・ある日、幸せそうな家庭を築いている田向家を見て光子のなかの何かが崩壊。一家全員の命を奪う。>>見放題動画は充実の180,000本！<<もともとが「田中のインタビュー」の間に「謎の女（光子）の独白」が入るという構成なので、確かに小説版のままでは映像化には向かないでしょうからね。映画を見ていると、登場人物の「愚かさ」が手にとるように理解できます。誰しもが善的な一面と同時に、悪的な一面をも必ず持ち合わせている、という教示。これって、言葉こそ悪いけど「普通の人たち」の言動だと思うんです。3つ目の「ラストシーン」についてですが、これは光子の子どもに関する出来事です。小説では「インタビューした人によって証言が食い違う」という点が面白く、特に田向夫妻の評判がどんどん下がっていく過程などが肝だったと思うのですが、映画ではその過程はかなり省略されていました。しかし、かといって映画「愚行録」は「一部の愚かしい人間」に焦点を当てた作品ではないように思われます。物語が進むにつれて観客の興味は「誰が1年前の事件の犯人なのか？」という点に集中していきますが、そこにいきなり「光子」の存在が浮上してきて、2つの時間軸の物語が交わっていく…。結論から言えば、田向家を血祭りにあげた犯人は田中光子。主人公・田中武志の妹です。その代わり、映画版では小説よりも鮮明に「愚かさ」が描かれていたように思います。別の人物を犯人に仕立て上げる偽装工作まで用意していたところに、田中の本気さがうかがえます。小説か映画、どちらか一方しか見ていないという方は、ぜひ、もう一つの「愚行録」もチェックしてみてください！小説では田中と光子の関係は終盤で明かされますし、田中がインタビューした人々の人数や設定にも違いが見られます。「愚かさ」について考えさせられる独特な雰囲気と、初見だと「えっ！？」と声をあげたくなるような意外な展開の連続。小説の方もそうでしたが、映画で見てみても「素晴らしい構成だな」と感心してしまいました。