だからもしも『ノルウェイの森』に少しでも興味を持った方は、どうか言葉に囚われず、心でこの物語を読んでみて欲しいと私は思います。 なぜ意味不明なのか? 物語のテーマ. 何を考察するのか; ワタナベと直子の関係. さて、ここからはいよいよ本の内容に触れていきます。この小説は400万部以上を売り上げた大ベストセラーになったわけですが、正直私は万人ウケする本ではないと考えています。この本が売れた理由は、恐らく内容そのものではなく、本が発売された時代背景が大きく作用していると感じています。実際、著者の村上春樹もこの小説が売れたことで「ひどく孤独になった」と語っています。内容はある意味とても人を選ぶもので、恐らく400万人のうち250万人は「そんなに面白くないなぁ」と感じたのでは … ①キズキと直子は恋人同士。ワタナベはキズキの男友達として輪に加わるが、キズキが自殺をしたことで3人の均衡は崩れてしまう。キズキの喪失の痛みを忘れるため、ワタナベは東京の大学へ進学。ある日直子と再会、関係を持つ。②直子は精神の均衡を崩し京都の療養所に入り、ワタナベが献身的に尽くそうとするが自殺。ワタナベは死者と別れを告げ、緑と未来へ進もうと決意。 村上春樹さんの大ベストセラー小説を、ベトナム系フランス人トラン・アン・ユン監督が映画化した「ノルウェイの森」。松山ケンイチさんや菊地凛子さんら、実力派俳優の出演などもあり、公開前から話題を集めた同作が、12月11日(土)に封切られました。 村上春樹が1987年に発表した同名の作品を原作とする。 映倫pg12指定。 主演は松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子。 キャッチコピーは「深く愛すること。 最後に、思想家でエッセイストの内田樹さんの感想を紹介します。試写を見て、一足早い10月末に感想のエントリーを公開していた内田さん。「好きな小説が映画化されたとき、どこを見るか。これはなかなかむずかしい」とし、「忠実度を見る」と「裏切り度を見る」という視点から、映画「ノルウェイの森」を評しています。その主な内容は以下の通り。トラン・アン・ユンが強引に生ける者の視点を採択してリ・イマジネーションされた『ノルウェイの森』は、作中に歌われる『ノルウェーの森』と同じように拙さを隠し切れず、また周囲によるフォローも利かなかったものなのだなあと深甚に思うしかし「まあ、こういう解釈というか、映像化も有り、なんだろうな」とも書かれており、「あの小説を2時間・このキャストで映画にしろと言われたら、これ以上のものを作るのは、たぶん、すごく難しいと思う」「未読の人には、説明不足で“不親切な作品”だと思われそうですけど、僕にとっては、非常に興味深い映画」など、原作ファンならではの思いも述べています。さまざまな考察を重ねながらも、最後には、「ワタナベ」役の松山ケンイチさんや「緑」役の水原希子さんの好演を高く評価。また、時代考証やレコード店内でかかる音楽、エンドロールで流れるビートルズの「ノルウェーの森」、ファッションやヘアスタイルなども良かったとまとめています。物語に登場するのは、自殺した親友「キズキ」とその恋人の「直子」、そして主人公の「ワタナベ」――。そのほかにも、「ワタナベ」に好意を寄せる大学の同級生「緑」やプレイボーイの先輩「永沢さん」、「直子」と同じ精神病院に入院している「レイコ」さんなどの個性豊かな人物が登場し、思春期の葛藤や恋愛、生と死に対する思いを描きます。この映画の原作となった村上春樹さんの著書『ノルウェイの森』が発刊されたのは、1987年でした。初版から20年以上たった現在も世界中で愛読され続けており、累計発行部数は1000万部を突破、日本の国内小説累計発行部数歴代第1位に輝いています。まずは、映画ライターの前田有一さんによるサイト「超映画批評」のレビューを紹介します。前田さんは映画「ノルウェイの森」を「100点満点中75点」と評価。辛口の評価が目立つ同サイトの中で、なかなかの高評価を下しており、特に原作ファンににすすめたいと述べています。主な感想は以下の通り。日本国内はもちろん、世界中にも多数のファンがいる作品の映画化。果たして、公開後の反応はどうなのでしょうか。はてなブックマークで話題を集めている、5つの感想&考察エントリーを紹介します。村上春樹さんの大ベストセラー小説を、ベトナム系フランス人トラン・アン・ユン監督が映画化した「ノルウェイの森」。松山ケンイチさんや菊地凛子さんら、実力派俳優の出演などもあり、公開前から話題を集めた同作が、12月11日(土)に封切られました。ブログやTwitterなどでさまざまな感想が飛び交っている中から、はてなブックマークで人気を集めている感想や考察をまとめたエントリーを紹介します。Copyright © Hatena. 「考察の概要:この小説は「性と死」ではなく「性と死と性」について書かれている」「死の成長を止められなかった人たち キズキ、ハツミ、直子の姉、突撃隊」「生の代表、永沢と緑」 | ノルウェイの森を「生と死と性」というテーマで読み解く - 小説ノルウェイの森を実際に読んだ感想です。 『ノルウェイの森』では直子のプロットがより鮮明に描かれており、ある意味では解釈は容易であった。 この物語の18年前の回想部分の中心は直子が自殺するまでの不可逆的な混乱を描き、直子は結局外部からの何人の手によっても救済されなかったことである。 【ホンシェルジュ】 村上春樹の名作『ノルウェイの森』をさまざまな角度から徹底解説!残酷で救われないけど、どこか美しい。現代にも通じる愛の構図がそこにはあったのです。 | 綾鷹茂吉(濁りのない文章を心がけています)
『ノルウェイの森』(ノルウェイのもり)は、トラン・アン・ユン脚本・監督による日本映画。2010年 12月11日に公開された。. All Rights Reserved.鋭い視点で、辛口かつパワフルな感想をまとめているのが、禍津ヒノワさんによる上記のエントリーです。禍津さんはこの中で「トラン監督による“二次創作”とも捉えられかねない」とし、監督の意思や「緑」の撮り方などを尊重しながらも、原作を読み込んだ人間がこれを観てどう思うか、原作も読みたいと思う人間が何人いるのかという疑問を投げかけています。また、エントリーの最後には、以下のようなコメントが残されています。はてなニュースです。Web・ITに関する話題を分かりやすく紹介します。このように辛口のコメントを残しながらも「最後にジョン・レノンのあのしゃがれた声で『Norwegian wood』が流れると、そういう細かな瑕疵は全部どうでもよくなっちゃいました」と記しています。大ベストセラー『ノルウェイの森』の映像化は成功だったのか、否か――。原作ファンはもちろん、未読の方もぜひ劇場に足を運んで、その目で確認してみてください。 直子と「外の世界」 キズキと直子 こういった内容のため、大ベストセラーではありますが、特に若いうちに読むべき本だと思います。と書いているように、ターゲット層はかなり狭いと思ってもらってもよいでしょう。最終的に直子は死に、そのまま同時期に交流を重ねていた大学の同級生・緑を選ぶことになります。世間と今一つ馴染めず、日々を無為に過ごしがちな大学生を主人公とし、ヒロインの心は高校時代のある地点に立ち止まったまま、体だけが生きています。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。主人公の「私」は、失われた親友の彼女・直子と親しくするようになるのですが、彼女はやがて精神を病んでしまいます。実際、著者の村上春樹もこの小説が売れたことで「ひどく孤独になった」と語っているくらいですし。暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。おそらくハマり方は二通りあり、「何だか世間から浮いているような気がする若者」が内容に共感する、または村上春樹の文章や世界観が好みにストライク、というものです。そのため、これもやはり事実だけをみてしまうと、すごく一本調子で平坦なストーリーに感じられるでしょう。これも、主人公は流されるがままに行なっているだけで、主体性はありません。言うなれば「モテる」男でもありますが、モテる理由も詳しくは描かれず、その点もストーリーから説得力を失わせています。直子との再会をはじめとする出来事は、村上春樹流の表現でサラリと流されてしまうのです。そこにあるのは、ただ雪が降り積もるように重なっていく事実だけなのです。さらに、直子と同じ療養施設で過ごしていたレイコとも身体を重ねました。また、ストーリーに大きな出来事はありますが、それがあまり強調されて描かれることはありません。しかし、一方でいわゆる「ハルキスト」でもないため、好きな小説だからこそ最初のほうはガンガン批判もしていきます。一方で称賛も欠かしていませんので、中立的な視点で描くように心がけた結果と思ってください。まず、この小説のストーリーには説得力に欠ける部分があるのは確かです。この本が売れた理由は、恐らく内容そのものではなく、本が発売された時代背景が大きく作用していると感じています。逆にいうならば、上記にあてはまらない読者が読むと、恐ろしくつまらないと思います。普段本を読まない方が気楽に読み始めると、思わず投げ出したくなるような作品でもあります。このように、「私」の行動は事実だけを書きだすと「色に耽っている」だけなのです。「私」の一人称視点で進んでいく物語は、一見するとすごく平坦に展開されていきます。