質量を持つニュートリノが光速で飛んでいたら、スーパーカミオカンデが壊れます。 ニュートリノは、相互作用は弱いものの、全く物質にぶつからない、というわけではありません。
運動している物体の運動エネルギーは質量と速度で決まる、というやつです。の式をテイラー展開して3次以降の項を無視すると以下のように近似できます。vが光速度cに近づくにつれて、上式の右辺の分母は小さくなり、Eは無限へと発散していきます。当たり前のように受け入れていますが、よくよく考えるとなんでだかわかりませんよね。私だけでしょうか。現在の物理学を構築する理論では光速に近づくほど膨大なエネルギーを必要とすることがわかりますね。有名な2chのコピペですが、うんちを光速で肛門から出すと、地球がヤバいらしいです。地球どころか宇宙がヤバいそうです。気になる人は調べてみてください。一方、アインシュタインの相対性理論においては静止している物体もエネルギーを持っているものとして構築されています。私は勉強としての物理は一般受験生レベルなのですが、それでも世界の真理を人間のルールで解釈しようとする物理学には未だに魅力を感じてしまいます。逆を言えば物体を光速で動かすだけでも無限大のエネルギーが必要であることになり、光速以上、という議論が不可能であることがわかります。この式を見ていただければわかる通り、vが大きくなる、つまり速度が大きくなるほどエネルギーは大きくなることがわかります。まず、高校の物理で習う運動エネルギーの公式がありますよね。ニュートン力学におけるやつです。タイムリープするためには光速を超える、ないしは極限まで近づくことを必要とするわけですからつまり、v=cの時、物体がもつエネルギーは無限であることになっていまします。うんちを光速でしたらどうなるか、そんな素っ頓狂な疑問にだって物理は回答をくれるのです。となり、よくアインシュタインの写真に添えられがちなあの式が出てきます。この式って静止している物体のエネルギーを示していたんですね。今朝、いつも通りオフィスでうんちしている時に「光速以上でうんちしてぇー、でも、光速以上はないんだったな」と考えた時に「なんで光速以上でうんちしちゃいけないんだ!ふざけるな!」という感情に襲われ、結局仕事が手につかなかったので理由を調べました。つまり、エネルギーは静止時のエネルギーE0とニュートン力学における運動エネルギーEkを足したものがエネルギーEとなっていることがわかり、アインシュタインの相対性理論とニュートン力学が矛盾していないことを簡単に確認できますね。また、vがcよりかなり小さい時、つまり現実での物体の動きを考える際に、この運動エネルギーは速度を持っている物体のエネルギーにのみ議論しており、静止している物体のエネルギーについては表現していません。 ニュートリノはこの素粒子の一つという話をしましたが、具体的にどのような物質なのかといいますと、 宇宙で最も豊富な物質 で身の回りを光速で飛び交っており、人間の体を1秒間に約1兆個も突き抜けている物質なのです。 逆を言えば物体を光速で動かすだけでも無限大のエネルギーが必要であることになり、光速以上、という議論が不可能であることがわかります。 これが質量を持つ物体が光速を超える速度を得られない理由です。 余談として、少しだけ話を続けます。 ニュートリノは質量が限りなくゼロに近い亜原子粒子で、何も存在しないかのように惑星を通り抜ける。質量がほぼゼロということは、光速に近い速度で移動するはずだ。具体的には、秒速約30万キロであ … この現象をニュートリノ振動と呼びます。ニュートリノ振動はニュートリノが質量を持ち、かつ、ゼロではないニュートリノ混合があるときに起こる現象です。宇宙を構成するすべての物質は、クォークとレプトンという素粒子の仲間から形成されています。例えばクォーク3つからできる陽子1つと、レプトンの仲間である電子1つを組み合わせて水素原子が作られます。ニュートリノ振動は、1998年にスーパーカミオカンデ実験で発見されました。宇宙から飛んでくる宇宙線が大気と衝突して生成された、大気ニュートリノ(ミューニュートリノ)を観測すると、検出器の下からやってきたミューニュートリノの数は、上からやってきたミューニュートリノの数の半分しかありませんでした。ミューニュートリノが地球の内部を通って来る間に、タウニュートリノに変化してしまったためです。残る未解明の問題は、CP位相のパラメータ、ニュートリノ質量の順番、ニュートリノ質量のそれぞれの値です。また、ニュートリノの質量がなぜ電子やクォークの質量に比べて100万分の1以下と非常に小さいのかという問題は謎に包まれています。ニュートリノには電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類があります。これは「フレーバー」による分類です。つまり、電子ニュートリノ、と言ったときには、ニュートリノ1、ニュートリノ2, ニュートリノ3が混合した状態であるということです。これをニュートリノ混合と言います。ニュートリノは、「粒子」であると同時に「波」としての性質を持ちます。そのため、それぞれ異なる質量の固有状態を持つニュートリノ1、ニュートリノ2, ニュートリノ3は、それぞれ異なる振動数を持つ波として空間を伝搬します。ニュートリノのフレーバーは、質量の固有状態の波の重ね合わせとなり、ニュートリノが空間を飛ぶ間に波の位相が変化し、フレーバーの種類が移り変わります(右図参照)。ニュートリノは電荷を持たないレプトンで、他の物質とほとんど反応しません。地球すら容易に貫通してしまうほどです。そのためニュートリノの観測は非常に難しく、長年その性質は謎に包まれていました。素粒子のしくみを説明する標準理論は、ヒッグス粒子の発見により完成されたとみられています。しかし、これまでわかったニュートリノの質量や混ざり具合は、なぜかクォークのそれらと比べて大きく異なり、素粒子の標準理論のほころびだと考えられています。つまり、標準理論は全ての物理現象を説明する完全な理論ではなく、標準理論を超えた未解明の素粒子理論が存在する可能性を示唆しています。統一理論と呼ばれるものなどがその候補だと考えられています。ニュートリノ振動実験は、統一理論など、未解明の素粒子理論を解明するための重要な手がかりを与えると世界中の研究者から期待されています。ニュートリノ振動の発見により、ニュートリノがわずかながら質量を持つことが証明されました。それまではニュートリノの質量は0だと考えられていたので、その発見は素粒子の枠組みを説明する「素粒子標準理論」に見直しを迫る、画期的な結果でした。ニュートリノ振動はその後、太陽ニュートリノや人工ニュートリノビームでも確認されました。 ニュートリノ振動の発見により、ニュートリノがわずかながら質量を持つことが証明されました。それまではニュートリノの質量は0だと考えられていたので、その発見は素粒子の枠組みを説明する「素粒子標準理論」に見直しを迫る、画期的な結果でした。