前回、全身麻酔で行う手術の流れについてお話しいたしました。記事を通じて、手術室内でどのように手術が進行していくかある程度おわかりいただけたかと思います。今回はより具体的に、外科系のドラマでもよく取り上げられるお腹(腹部)の手術についてお話し 前回の記事では、現在お腹(腹部)の手術で行われている開腹手術と腹腔鏡手術という2種類の手術方法のうち、開腹手術にスポットを当ててお話しいたしました。今回は腹腔鏡手術について、そのメリットとデメリットも含めてお話ししていきたいと思います。 医療ドラマの手術と実際の手術とはどこが違うのか? またドラマでは、 窓の外から手術室の中を眺める 、というシーンもあります。 私自身は、こういう大きな窓のついた手術室を見たことがありませんが、あったしても 遠すぎて手術中の様子は見えない でしょう。 ドラマにて、友永未来は、南方仁(大沢たかお)の婚約者であり医師である(仁の後輩にあたる)。脳幹部に発生した腫瘍を、周囲の反対を押し切って自ら手術により除去しようと試みるが、結局は友永未来を植物状態にしてしまう。
決して、ドラマのような”挿管して手術して…”胃カメラする事はありません。 ウトウトする人の多くが寝た状態になるので、鎮静剤で寝た状態→麻酔というイメージがあるのです。アルコールだって、寝ちゃう人いますけど「麻酔」なんて言いませんよね。
みなさんは、本当の手術がどんなものかご存知でしょうか。昨今、「医龍」「ドクターx~外科医・大門未知子~」「a life~愛しき人~」「コード・ブルー」など、医療ドラマが大人気です。そうしたドラマ … まず、ほとんどの手術は予定通りに行われるので、「窮地に陥る」といったことはあまりありません。時に、海外から複数の医師が手術見学に来ているケースもあります。また、看護師を含め、手術に参加している「医師以外のスタッフ」もそうです。少なくとも「前立ち」と呼ばれる、執刀医の前に立つ医師(第一助手とも呼びます)が手術の流れを把握していないと、手術は成り立ちません。さらには、この新たな作戦は主人公の頭の中にしかなく、テキパキと対応する主人公を前に周囲の外科医たちは、「5時間予定で申し込んでいた手術が、予想外に8時間くらいになりそうだ」大幅な術式変更の時は、一旦主治医が手を下ろし、ガウンを脱いで手術室を出て、待合室で家族に面談します。あながちどれも完全なフィクションではありませんが、「現実はちょっと違う」というのが答えです。「〇〇先生の手術を見学するセミナー」といったものもあり、そうした際は大勢の医師が手術室に勉強に訪れます。© 2020 外科医の視点 All rights reserved.何もせずにブチっと切ってしまうと、大量に出血してしまうためです。(もちろん大きな血管を傷つけたケースはその限りではありませんが)
手術はいつだったの? 6月12日に緊急手術; 後遺症が残らなければいいのにと思う。 私の母も脳内出血の経験者; 若い人の脳内出血といえばカープの木村拓也選手を思い出してしまう; キムタクは、くも膜下出血だった。 清原翔さんは、手術している 傷に関して、開腹手術では切開部位のところで取り上げたように、ある程度開いて手術をするため、同一内容の手術を数ヶ所の小さな傷で行うことのできる、腹腔鏡手術に比べて大きくなってしまいます。傷の大きさは体へのダメージに直結し、術後の回復の早さに大きく関わってきますので、開腹手術の最も大きなデメリットとも言えます。前回の記事では、現在お腹(腹部)の手術で行われている開腹手術と腹腔鏡手術という2種類の手術方法のうち、開腹手術にスポットを当ててお話しい...以上、開腹手術の概要にメリット・デメリットも加えてお話しいたしました。特にメリット・デメリットは、実際に私たち外科医が、患者さんに手術の説明をする際に開腹手術と腹腔鏡手術の違いとしてしっかりとお話しするところでもあります。ハンターハンター(HUNTER×HUNTER)という漫画をご存知でしょうか?登場人物が念というオーラを用いて闘う漫画ですが、その念能力に...開腹手術を行うために先ず切り開かないといけないのが腹壁ですが、腹壁は内臓を守らなければなりませんので、様々な組織が層をなすことにより構成されています。以前記事で説明したように外科医志望者は1990年代以降減少してきています。理由は様々挙げられるかと思いますが、その一つには訴訟リ...前述した通りお腹の手術の歴史とも言える開腹手術ですが、近年はより体に負担の少ない腹腔鏡手術の台頭によりそのメリットとデメリットがはっきりとしてきました。私たち外科系の医師や救急外来で勤務する医師は、日常的に怪我をした患者さんの傷の治療を行なっています。しかし意外なことに、働き出してか...腹腔鏡手術に対する開腹手術の大きなメリットの一つとして、実際に自分自身の手で臓器に触れながら手術ができるということが挙げられます。体の表面から腹腔内に向かって、順に腹壁を構成する組織を並べると、大まかに以下のようになります。それでは開腹手術ではお腹のどの部位を切開することが多いのでしょうか?ここ最近、医師の勤務時間の長さに関するニュースが取り沙汰されています。特に厚生労働省が2019年の1月11日に示した「地域医療に従事する...教習車に例えると、開腹手術はすぐに指導教官が補助ブレーキを踏むことができる状態と言ったところです。続いて腹腔鏡手術のデメリットについて説明します。一般的なデメリットとして下記のものが挙げられます。さらには腹腔鏡手術の進歩で、今まで開腹手術でないと困難であった手術も腹腔鏡手術で可能になりつつあり、開腹手術特有のメリットが以前より薄れてきつつある印象があります。ただし体格や臓器の部位によっては正中以外でお腹を切開しないといけない場合もあります。外科医は小説やドラマ、映画などの主人公にしばしば取り上げられます。近年放映されている医療系ドラマでも、「ドクターX」、「医龍」、「ド...因みに筋肉は血の巡り(血流)が豊富で、切り込むと血が出易いですので、筋肉がある部位を極力避けて開腹しようという意図もあります。それでは早速、開腹手術と腹腔鏡手術それぞれについて、今回は開腹手術から説明して行きたいと思います。腹腔鏡手術ではカメラで覗きこむことが可能であるため、体格や臓器の深さに左右されず同一の小さな傷で手術を行うことが可能なのですが、開腹手術ではこう言った要素によって、ただでさえ腹腔鏡手術に比べて大きな傷がさらに大きくなってしまう可能性があるというわけです。ここで、特に腹腔鏡手術と比較した場合の開腹手術のメリットとデメリットについて検証していきましょう。腹部の外科手術が誕生してからずっと用いられている手術方法ですので、長い歴史があります。これまでの記事で、外科医の仕事内容や勤務する診療科によってその忙しさを検証してきました。なんとなく外科医の勤務内容は忙しい、というイメー...例えばかなり進行した癌の手術などでは、どの範囲まで癌が広がっているかを評価するのに実際に手で触った感覚で確かめなければはっきりしない場合があります。これはモニターに映し出された画像を見ながら手術を行う腹腔鏡手術では困難なのです。この中で皮下脂肪と腹膜前脂肪は痩せた人と肥えた人で大きくボリュームの差があります。前回、全身麻酔で行う手術の流れについてお話しいたしました。記事を通じて、手術室内でどのように手術が進行していくかある程度おわかりいただけたかと思います。前回の記事では仕事内容の点から、実際に外科医がどのように忙しいのかどうかを検証していきました。一言で外科医と言っても現在は診療科...もちろん切開した創が大きいほど術後の疼痛は強く感じる傾向にあり、筋肉を横断するような切開(季肋部切開など)は横断した部位の筋肉が後々萎縮してしまうことがあります。現役の外科専門医が医学、医療問題、健康について日々発信いたします。特に皮下脂肪のボリュームが多いと、筋肉前面を覆う層である筋膜前鞘に達するまで数cm以上脂肪を掘り進めなければなりません。腹壁の筋肉に関しては、切開する部位によっては筋肉を切らずに避けることもできますが、部位によっては複数の筋肉を切らなければなりません。これは、開腹手術の弱点でもあるのですが、切開した部位からしかお腹の中は覗けませんので手術対象臓器が右や左などに偏って正中切開で視認しにくい場合は出来るだけその近くで切開する必要があります。そのため上記に挙げたように複数の切開部位が存在することになるのです。上記意外にも、腹腔内で最も大きな臓器である肝臓の手術をする際などは、お腹を大きく縦と横に開く逆L字切開やメルセデスベンツ切開という方法がとられることもあります。また、開腹手術であれば、手術中に大きな出血をきたした際に、直接手で押さえて一時的に止血し、状況を立て直すことができます。教育的な面でのメリットを挙げると、腹腔鏡手術では小さな孔から器械を挿入して手術をするため、経験の浅い執刀医の指導を助手が行う際に直接手を出しにくいのですが、開腹手術ですと執刀医が操作を誤りそうになった際に、すぐ手出しすることができ指導しやすい面が挙げられます。一般的にハードワークで医師自身のQOL(生活の質)が低いとされる一般・消化器外科ですが、実際はどうなのでしょうか?QOLと言っても様...腹部の手術の多くで正中切開が用いられる理由として、正中ではちょうど左右の腹筋(腹直筋)の境目があり、その部位には筋膜前鞘と筋肉後鞘のみが存在し、筋肉が途切れているため筋肉に切り込まず比較的腹壁の薄いところで腹腔内に到達することが出来るからです。医療系ドラマなどではしばしば手術のシーンが出てきます。医療従事者で無ければ、自分が手術を受けない限りは手術室に入る機会はほとんどないと思...よくイメージされる開腹手術はお腹の真ん中を上下に切開する正中切開だと思いますが、虫垂炎の開腹手術では右の下腹部を数cm程斜めに切開する交叉切開がよく用いられ、こちらも比較的知られている切開法だと思います。どちらも同じ腹部の臓器を対象とする手術ですが、その大きな違いは、開腹手術とはその名の通りお腹の壁(腹壁)をメス等で開いてアプローチする手術で、腹腔鏡手術はお腹に小さな孔を数ヶ所開け、カメラ(内視鏡)を使ってお腹の中をモニターで映しその映像を見ながら行う手術になります。これが腹腔鏡手術ですと、細長い器械を使って限られた動作制限の中止血を試みないといけないので、開腹手術に比べて良好な操作を得られないこともあります。実際に出血した際の止血が困難なためで腹腔鏡手術から開腹手術に移行する例もあります。今回はより具体的に、外科系のドラマでもよく取り上げられるお腹(腹部)の手術についてお話ししていきます。私自身、腹部の臓器専門の外科医として日々手術の執刀を行なっていますが、現在の腹部手術は大きく以下のように分類することができます。また、開腹手術ではお腹を開いたところからしか腹腔内を覗きこむことが出来ないので、体の奥深くの臓器を対象に手術する場合や、体格が大きい患者さんでは大きくお腹を開かないと手術時の視野を得ることができません。最後に腹膜を開くとようやく肉眼で内臓が確認できる腹腔内に到達です。先ずは前述の通り、腹壁を開いて内臓の存在している空間(腹腔内)を露出させます。臓器が露出したら直接目で病変部を見ながら、執刀医や助手の手または手に持った器械を使って手術を行います。開腹手術についていてある程度イメージは付きましたでしょうか?次の記事では、腹腔鏡手術について具体的に説明したいと思います。