そうであれば、事業部別ではなく、アップルのように職能別組織にして、組織一体として経営者自ら横断的に指示を出していく方が好ましいかもしれません。組織が大きくなった頃には、経営者自身も各事業部の細部には目が届かなくなるため、縦割りの弊害が起こっていることさえも気付かず、問題を抱えたまま経営を行わざるを得ません。事業部という縦の組織と、職能別という横の組織、これらを上手くクロスさせ、情報を共有し、縦割りの弊害を排除しましょう。最近、当社のお客様の規模も少しずつ大きくなっており、組織内部のご相談を受けることも多くなりました。そこですぐに気付くのが、事業部ごとに別々に運営されているために起きている問題です。私どもも、二十数名で、二社、二拠点、事業部という形式では三つほどあります。そこで苦心するのは、可能な限り、組織全体で共有できる事項を増やすことです。そして、各社員の役割分担が明確となり、セクション別に行動するようになる。さらに、セクション間で仕事や情報の共有が希薄となり、他のセクションの仕事に理解を示さなくなる…。ベストセラー多数の人気税理士岡本吏郎が主催する税理士法人。マーケティングコンサルタントでもある岡本吏郎を中心に、東京・新潟事務所には、専門知識と実務経験の豊かなスタッフが在籍。全国の中小企業経営者が独自ノウハウを支持。とはいえ、実際に経験された方もいるかと思いますが、事業部制の組織を進めていっても、ある事業部が人材不足や業績不振に陥ると、「一つの会社なのだから事業部に捉われず協力しよう!」という号令の下に、全社協力体制が敷かれます。もちろん、そのための調整機能として会議というものがありますが、例えば事業部制が進むと業績管理も事業部別となるため、他の事業部のことを気にしていられなくなります。事業部の責任者は自身の事業部の業績で精一杯…。後任のティム・クック体制のアップルに適した組織かどうかは分かりません。ただし、どんなに小さな組織でも縦割りが起こる可能性はありますし、少人数の中小企業も例外ではありません。具体的には、職能別、活動拠点別、事業部別などのセクションが該当します。特に人材難の中小企業において、縦割りにより隠れた労働力があるかもしれないという可能性は見過ごせません。CMなどで名刺情報の共有ソフトが盛んに流れていましたが、社員ごとに抱えている情報が共有されていない典型例です。あるいは、調整型の経営者であれば、事業部制を採用し、各事業部で協力できるよう自らバランスを取って経営していくのが好ましいかもしれません。問題が共有できれば、横断的に解決できる問題があるのではないかと考えるからです。有名な話ですので皆さまもご存知かと思いますが、アップルは事業部制組織を採用しておりません。あれだけの規模の企業で、製品別に責任者がおりません。職能別の組織形態を採用しております。また、経営者のタイプによっても、現在の組織体制が合致しているかどうかの見直しも必要です。中小企業においても、組織体制を構築するという名のもとに、事業部制を採用する企業が増えてきましたが、とにかく気を付けなければならないのが、これまで述べた縦割りの弊害です。社員数の増加に伴って、自然とそのような形になるのは当然のこと。中小企業ですから、ワンマンが悪いとは思いません。ワンマンであるにもかかわらず、無理に事業部制を導入して責任者を置き、責任を持たせて運営させるのは、縦割りの弊害を助長しやすいのではないかと考えます。要は、事業部別でも、職能別でも、活動拠点別でも、組織一体として情報共有と行動ができれば問題ないのです。事業部制を取り入れれば、「組織」という感じがして、満足感はあるでしょう。ただし、そこから始まる弊害の把握にも努めてください。私たちは大企業ではありません。中小企業です。経営者次第で組織に柔軟性を持たせられることが強みです。大企業ではよく聞く話です。最近の三菱自動車で起きた問題も、開発部門において不都合な情報がブラックボックス化されていたために起きました。もちろん、これはスティーブ・ジョブズという経営者が、事業部というセクションを破壊して、職能別に横断的に指示を出していたからこそ可能な芸当です。ワンマン経営者による中小企業的な経営です。「分かっている」と、おっしゃる方が多いでしょうが、事実、ある程度の規模を越えた組織においては、縦割りの弊害が存在しない組織などありません。むしろ、自社には縦割りの弊害があるという前提で、組織を見直す必要があります。組織図がある中小企業も多いかと思いますが、まずは組織図と構成員を確認し、それぞれが同じような仕事をしていないか、共通利用できるリソースはないか等をよく見直す必要があります。
私たちは大企業ではありません。中小企業です。経営者次第で組織に柔軟性を持たせられることが強みです。 事業部という縦の組織と、職能別という横の組織、これらを上手くクロスさせ、情報を共有し、縦割りの弊害を排除しましょう。 「組織」を掲載しています。中小機構は、中小企業政策の実施機関として、成長ステージや経営課題に応じた支援メニューで中小企業の成長をサポートします。 まず「怒る⇒思考停止になる⇒ますます怒る」という悪循環を断ち切らなければいけません。「考えさせる⇒考える力が高まる⇒ますます任せられる」という好循環に持っていくように意識をすべきです。まず、実際には、社長の能力と努力で事業が成り立ち、雇用が守られているわけですが、社員からすると、社長の「リーダーシップの低さ」「コーチング能力の低さ」の方が気になってしまって、不満が募っていきます。叱られる確率を下げる一つの方法は「余計なことをしない」ということです。ですから、できるだけ何もしないようにする。何かをすれば叱られるわけですから、できるだけ職場でひっそりと、社長に見つからないように過ごしていく。このような状態を生み出していってしまいます。ですから、組織が大きくなってきたときに「全体のゴール」を常に意識し、「他部署との連携を密に取る」ということを大切にしていかないと、こういった官僚的な、硬直的な仕事が社内に蔓延してくることになります。考える力、思考力を高めるのに効果的なのは「教える」「叱る」ではありません。「問う」ということが効果的です。教えてしまった方が、その場ではすぐに効果が出ますが、教わってしまうと自分で考える姿勢はむしろ低下していってしまいます。「どうすれば上手くいくか?」「どうすればもっと顧客に喜ばれるか?」「どうしたら失敗は繰り返さないか?」と問う、というコミュニケーションに切り替えていくことが重要です。従前の「評価」を見直すトップ企業 これまで経営の基本として「会社の方針が掲げら …[2018/1/24 メルマガ配信記事:担当 藤川瑞木] 出典:写真AC &nb …これは、本当によくある傾向で、このことが、会社組織の問題の根本的な原因となっているケースも多々あります。そして次に「全体のゴール」「他部署との関係性」を理解する時間をしっかりと取るようにします。多くの中堅・中小企業では、業務効率を追求した結果「自分の部署の仕事にとにかく専念する」というような状態になっています。100%自分たちの仕事の事だけ考えているような状態です(評価制度がそれを助長してしまっていることも多々あります。評価制度についても別稿で詳述します)。Copyright© 社長、あなたの右腕作ります!〜ベンチャー・中小企業経営テクニック集〜 , 2020 All Rights Reserved.実際に、びりかん社ではこういった支援をしていって、部署間の連携が高まり、顧客への提供価値が上がり、売上が伸びたケースが多数あります。最初の頃は、教えたくなるでしょうが、そこをぐっとこらえて「問う」ようにしばらくしていくと、社員の「自分で考える姿勢・力」が高まってくるのが実感できるようになります。(これらを全般的にコーチングスキルと呼びますが、コーチングスキルについては別稿で詳述します)[2018/3/14 メルマガ配信記事:担当 信國大輔] 出典:写真AC &nb …社長のかわりに幹部や社員を鍛えたりヤル気にさせるブログです。100社以上支援実績のあるベンチャー・中小企業専門コンサルタントが、事業推進や組織体制構築、新規事業企画、プロジェクトマネジメント、新規採用のコツ、社員のモチベーションアップ、マネージャ育成・チームビルディングなどあらゆる経営課題の実践的な企業経営ノウハウを解説。社長が、営業も見るし、商品開発も見るし、財務も見るし、調達も見るし、そうやって事業面を支えているケースは多々あります。社長の、部下への接し方、リーダーシップ、コーチング能力などが高くないケースもよくありますが、それを差し引いても、実際に、社長の能力と努力に依存して、事業が成り立っているわけです。創業社長であれ、2代目社長であれ、社長の能力と努力によって、会社が成長・繁栄してきているのが、中堅・中小企業によくある実情です。大企業であれば、「社長の頑張り」だけで成長できることは限られているため、既に組織化が進んでおり、権限移譲なども進んでいることがほとんどです。しかし、100名以下の会社ですと、まだまだ社長の頑張りだけで、良くも悪くもどうにかなってしまうので、どうしても「社長次第」という状況からなかなか抜け出せません。[2018/1/10 メルマガ配信記事:担当 信國大輔] 出典:写真AC &nb …この100%のうち、10%でも「全体のゴール」「他部署との関係性」を理解する時間に振り分けます。他部署と合同のワークショップを行い「部署を超えて、全体のゴールは何か?」「それぞれの部署の仕事の、大変さや苦労はどんなところにあるのか?」「それぞれの仕事ぶりが、どのように影響しあっているのか?」っといったことを共有・探求していく時間をとるのです。[2017/11/1 メルマガ配信記事:担当 信國大輔] 出典:写真AC &nb …■役割分担は本当に必要? 社員から「うちの会社は役割分担はハッキリしていない」「 …また、事業が拡張して、社員数が増えてくると、これまた「会社組織」特有の問題が発生してきます。効率的に業務を進めていくために、役割分担をして自分の専門分野・担当分野の仕事に専念にしていくようになります。しかし、その結果、連携してお客様に価値を提供すべきなのに、他部署がどんな仕事をやっているのか全然分からずに、ただ自分の担当分野だけをやっていくことになります。 [2017/10/11 メルマガ配信記事:担当 信國大輔] 出典: …当然、社長は、そういった社員たちを叱っていきます。しかし、ここに罠が潜んでいて、普通のスキルレベルで社員を叱っていくと、社員の【依存性】がますます高まっていくことになるのです。叱られたい人はほとんどいませんから、叱られないように仕事をするようになります。そうすると大事なことは「社長は何を叱るのか、叱らないのか、を知ること」になります。自分で考えて仕事をするのではなく、叱られないように仕事をする。こうしていくことで、自ら考えて動く社員が増えてきます。そうすると「自分の仕事はとにかくビーフカレー用のスパイスを買うことだ」というような思考停止になる社員が減ってくるわけです。当然、そんな状態の社員がいれば、経営者としてはより一層叱りたくなります。「ちゃんと仕事しろ!」と。しかし、そういった抽象的な叱咤では、社員は何をしていいのか分からないので、萎縮し、ますます、ちゃんとした仕事をしなくなっていってしまう、こういう悪循環になっていきます。この悪循環に陥っている中堅・中小企業はたくさんあります。[2018/1/31 メルマガ配信記事:担当 信國大輔] 出典:写真AC &nb …[2017/5/31 メルマガ配信記事:担当 信國大輔] 社員や部 …また、中堅・中小企業の場合、多くは採用力が高くないので、それほど優秀な人材を、高収入で迎えられるわけではありません。そうすると、能力の高くない社員を使って、事業を進めていかなければならないわけですが、優秀な社長からすると「なんで、そんなこともできないんだ!」と腹が立つようなことばかり、日々起こります。例えば「家でホームパーティを開く。カレーライスをふるまう」というプロジェクトがあったとして、肉屋チームと、八百屋チームと、スパイスチームに別れて買い物にいくことになっていたとします。プロジェクトのゴールが共有されていて、チームで連携して動いていれば、例えば「肉屋チームから連絡があった!今日は肉屋が閉まっているので、魚屋にいく!ビーフカレーではなくて、シーフードカレーにしよう!」「じゃー、スパイスはシーフードカレーに合うものにしよう!」などと動いていけるわけです。しかし、他部署のやっていることに無関心で「自分達は、指示された通り、ビーフカレー用のスパイスを買ってくることこそが仕事だ」と思っていると、実際にそれに専念してしまい、最終的にパーティ参加者に不味いカレーをふるまって不興を買ったとしても「我々は、ちゃんとやるべき仕事をした」などという風になってしまうのです。[2017/7/26 メルマガ配信記事:担当 石川英明] 会社は誰 …