前回は、弁護士を選ぶ際に、弁護士の学歴はあまり気にする必要がないという話をした。今回は、弁護士の経験年数についてお話ししてみよう。 やっぱり気になる経験年数 冒頭申し上げたいことは、経験年数のある弁護士が優れていて、経験年数のない弁護士がダメだと伝えるつもりはない。 一方で、弁護士としての経験年数があればいいというものではない。とはいえ、弁護士経験年数以上に、事件類型ごとの経験年数を知るのは難しい(難しいながらも、次回ブログで、この予想方法について語ってみたい)。当の弁護士本人からして、事件類型ごとの経験年数などはっきり覚えていないだろう。登録1年未満 66期 48314~ ※この期から法科大学院卒業組が殆どに。冒頭申し上げたいことは、経験年数のある弁護士が優れていて、経験年数のない弁護士がダメだと伝えるつもりはない。この点、くれぐれも誤解ないようにしていただきたい。こんな風に、同じ法曹でも、裁判官は10年、検察官は8年が、ベテランへの第一歩の分水嶺になっているように見受けられる。弁護士の場合には、弁護士補だとか二級弁護士といった資格の区別はないけれども、裁判官や検察官の昇進年数を参考にすると、弁護士の場合も、経験年数8年〜10年くらいのところでベテランへの道を歩み出したということもできるのではないだろうか。基本経験値といえば、登録1年目だけでなく、登録2〜3年目くらいまでは、基本経験値の底上げ修行期間中だろう。訴訟事件だと、それなりに争点があって研鑽できる事案は、提訴してから第一審判決まで、1年以上かかることが多いから、やっぱり2〜3年しないと訴訟事件を何度も繰り返し経験したとはいえないだろう。重要なのは「経験年数」ではなく「経験値」だ。弁護士は、取り扱った事件に応じて個別に経験値が高まってゆく。例えば、知的財産権事件を全く扱わずに10年経過した弁護士よりも、知的財産権事件を十分取り扱って研鑽した1年目の弁護士の方が優れているかもしれない。取り扱った事件類型に対する経験年数こそが重要だ。登録18年〜27年 40期代 20484~ ※私の登録番号23559はここ。ごく僅かであるが、弁護士登録番号と弁護士としての経験年数が上記のとおり対応しない弁護士がいる。登録7年 60期 35165~ ※この期から法科大学院卒業組が登場する。商売っ気たっぷりのウェブで、ことさら経験値を高く見せかけ、新人であることを隠そうとするよりも、新人は新人であることを売りにすることこそ誠実じゃないかと思う。以上、弁護士経験年数は、弁護士を選ぶ際の参考要素にはなるけれども、単に弁護士としての登録年数を見ただけでは、当該事件に対する経験値の深さは測れないと述べた。そこで、次回は、この点をもう少し掘り下げて、登録番号から弁護士経験年数が判明した次に、その弁護士の事件類型ごとの経験値を予測する方法について話してみよう。しかしそれでも、やっぱり、弁護士選びに際して、弁護士の経験年数が気になる人はいるだろう。弁護士は職人だから、経験がものをいうことは否定できない。「経験年数」ではなく、「経験値」なんだけれども、その経験値の一判断要素として経験年数は大きい。どうしてかというと、弁護士登録をいったん抹消して(弁護士会を退会して)、その後再び弁護士登録をしたケースがあるからだ。例えば裁判官に転身するなど、弁護士の資格を持ったままではできない職に就く場合には弁護士登録をいったん抹消する必要がある。そして、その後再び弁護士に戻った場合、以前は、かつての登録番号ではなく、改めて新しい登録番号が割り当てられてしまっていた。だから、登録番号だけで見ると新人と同じになっていた。なお、現在は、弁護士会をいったん退会した場合でも以前の登録番号を復活できる措置が設けられているようだが、そのような措置を取らなかった場合に、登録番号は新しくなってしまう。だから、むしろ謙虚に「私は登録したての新人なんです」「経験は乏しいですが、やる気は人一倍なのでどうぞお任せ下さい」と正直に言ってくれる新人弁護士は、信頼に足るのではないかと思う。新人弁護士といっても、経験値不足なだけであり、弁護士としてのセンスはあるはずだ。また、新人弁護士が所属する事務所に経験値豊富な先輩弁護士がいれば、OJTでも問題ないだろう。なお、裁判官などに転身して登録番号が新しくなってしまったというのは経験値プラス方向の要素だが、逆に、懲戒を受けて弁護士会を退会し、ごく少数だが、その後、長年月を経て再入会が認められたような弁護士の場合、登録番号が新しいのは経験値マイナス要素だろう。こういうケースもありうる。あくまでも個人的な感覚だが(そしておおかたの弁護士の感覚も同様ではないかと想像するが)、登録1年未満の弁護士は、やはり基本経験値(弁護士として通有の職人勘や基本的技術)は低いだろうと思う。司法試験に合格して、司法修習を終えたら、弁護士として一人前かというと全くそうではない。ようやくそこがスタートラインで、先輩弁護士とOJTしながら経験値を積んでゆく。そういう意味では事件類型ごとの経験値を云々する以前に、基本経験値が低そうだ。このヤメ判・ヤメ検の弁護士登録番号は、弁護士登録した時点での番号だから、裁判官や検察官としての経験期間は見えてこない。弁護士としては登録したての新人でも、裁判官時代に主として民事事件を扱ってきたヤメ判弁護士が民事弁護を行う場合とか、ヤメ検弁護士が刑事弁護を行う場合とか、そういうことであれば経験豊富なわけで、新人弁護士と同列には扱えないだろう。さらに視点を変えれば、いまどきの新人弁護士がPCやネットワークを駆使するのは常識だと思うが、何十年選手の古参弁護士だと、ネットワークなどさっぱりわからない、メールは使わないファックスか手紙で、という人もいそうだ。こうなると、むしろ新人弁護士の方が優れている。経験年数だけ見ていると、弁護士選びには失敗するかもしれない。ogawalawさんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?また検察官の場合は、任官して8年までは「二級検察官」だが、8年以上になると「一級検察官」になれる。「二級」というのは、やっぱりベテランに付ける言葉ではなかろう。業界内では、元裁判官の弁護士を俗にヤメ判、元検察官の弁護士を俗にヤメ検と言う。判事をヤメた弁護士、検事をヤメた弁護士の略称だ。この言葉、業界内で普通に使われているが、時にはネガティブな意味合いを持つこともあるので、実際にヤメ判やヤメ検の弁護士本人にそう言うと、気分を害される場合もあるので要注意だ。あくまでも当の本人が自称する言葉、或いはそのような総体をまとめて称する言葉として使うのがよさそうだ。私も新人だった20年前に、先輩弁護士は無理だと言った、刑事否認事件における勾留に対する準抗告(そして不起訴)を獲得したことがある。知らない人には、これだけ聞いてもなんのこっちゃという感じだろうから簡単に言うと、ベテラン弁護士の多くが行いそうもない刑事弁護活動をして見事結果を出したわけだ。新人だったからこそ、司法研修所で習いたての教科書どおりの知識と、がむしゃら感だけで行った刑事弁護の勝利だったと思う。ところで、ちょっと語弊のある書き方だけれども、裁判官や検察官は、一定の年限を超えてベテランになる。そうするとやはり、弁護士になってからの経験年数を手がかりとすることはやむをえまい。裁判官の場合は、任官して10年までは「判事補」と称するが、10年以上すると「判事」となって「補」が取れる。「補」というのは、ベテランに付ける言葉ではなかろう。ところが、新人弁護士に近いほど、ウェブなどで自分の経験年数(登録年度・修習期など)を明示していないことがある。おそらく依頼者に、新人だからと不安を持たれたくないのだろう。
平成23年12月15日、新64期の弁護士1423名が、新たに弁護士会に登録されました。前日の登録者数が30509名であり、合計31932名となります。 期 一括登録日 一括登録人数(前年比) 修習終了者(前年比… また、登録請求に際して下記以外の書類を必要とする弁護士会もありますので、入会希望の弁護士会に確認してください。 ※2019年12月13日以降(2020年1月1日など)に登録を希望される場合、戸籍謄本等の取得日の期限および提出書類が異なります。 弁護士は法律のスペシャリストですので、弁の立つ詐欺師がそれっぽく言い寄ってくると思わず信じ込んでしまうケースがあります。日弁連の弁護士検索サービスでは、名前を入力すると弁護士登録番号まで表示されます。過去にこれを悪用して、実在する弁護士の名前・正しい登録番号をかたる詐欺師が現れた事件がありました。弁護士は法律のスペシャリストですので権限が強いです。そのため、権限を振りかざし横暴な振る舞いをする弁護士を制御したり、弁護士を偽装する事件を防ぐ必要があります。この記事でまとめた一覧表も活用していただいて、どういう弁護士なのかを判断するといいでしょう。さらには、学者や検察官・裁判官などのキャリアを経て弁護士登録されている場合もあります。上記のようなケースで弁護士を名乗ってきた者に対して、弁護士番号を伝えるように求めるという形でも弁護士番号制度は機能しています。この記事では、弁護士登録番号と修習期の対応一覧表、弁護士登録番号の有効な活用方法について解説していきます。そんなときも慌てず冷静に弁護士登録番号を確認することで、相手の正体を把握することができます。このように弁護士番号だけでは、法律家としての経験年数を正確に知ることはできない場合もあるということを覚えておきましょう。実在する弁護士の名前を使って悪さをする人もいるので、検索でヒットしたら電話などで本人かどうか確認してみるといいでしょう。弁護士は弁護士登録番号で管理されていることを知っておくと、このような事態に巻き込まれても冷静に対処することができます。晴れて弁護士になれたら日本弁護士連合会より弁護士登録番号が割り振られることになります。余談ですが、弁護士同士の会話において、弁護士番号や修習期の話題は盛り上がるケースが意外に多いです。弁護士登録番号と修習期の対応関係についての一覧表を作成しましたのでご覧ください。この対処法としては、検索結果画面にその弁護士や所属事務所の連絡先が表示されるため、直接電話をして、本物かどうかを確認するといいでしょう。情報だけを鵜呑みにしては詐欺に遭うケースもありえるということです。弁護士登録番号の役割について詳しく知りたい方、弁護士登録番号の一覧表を確認したい方は是非ご一読ください!ですが中には、一度弁護士登録をしていたとしても、出産や病気・留学などを理由に一度弁護士登録を抹消し、その後再び新たに弁護士番号を取得し直している弁護士もいらっしゃいます。弁護士登録番号制度は、弁護士懲戒制度や弁護士検索サービスとともに弁護士の質を向上させる上でも役に立っているのです。もし弁護士になった際には、弁護士番号は弁護士バッジとともに弁護士という身分を証明する重要なものとなります。この登録番号というのはただ弁護士の管理目的だけで存在しているわけではなく、経験年数を判断したり、弁護士偽装の予防にも活用されています。日本弁護士連合会(通称:日弁連)は、WEB上で登録されている弁護士を検索できるサービスを提供しています。弁護士を検索するためには、弁護士登録番号を入力する必要があります。この登録の際に、弁護士としての登録番号が割り振られることになります。
弁護士の登録番号と修習期の早見表(2016.4版) – 弁護士鶴間洋平の「新時代のプロフェッションを目指して」毎年好評の「弁護士の登録番号と修習期の早見表」です。近時は、弁護士選びのインフラ的にご利用頂いてい […]
知られざる”番号登録”の歴史 」 には,「1951年版、1952年版、それに採番のし直しがされた1953年版のいずれでも1番が付与されていたのは、東京弁護士会所属の津田義治弁護士だった。」と書いてあります。 4 再登録請求をした場合における弁護士登録番号
この記事では、弁護士登録番号と修習期の対応一覧表、弁護士登録番号の有効な活用方法について解説していきます。弁護士登録番号の役割について詳しく知りたい方、弁護士登録番号の一覧表を確認したい方は是非ご一読ください!